« SLつけ麺 | Main | 第12回三遊亭あし歌勉強会 »

March 08, 2008

かもめ食堂

  
 かもめ食堂
 Ruokala Lokki
 Kamome Diner
 
  監督:荻上直子
  脚本:  〃
  出演:小林聡美
     片桐はいり
     もたいまさこ
 
        2006年   日本
 
 
小林聡美はホント綺麗になりましたな。
この映画の撮影当時で、そろそろ四十台に乗っかったあたりだろうか。
若い頃に比べ、ドガチャカしたところが抜けて、本来持っていたボーイッシュな雰囲気に、適度な円満さが加わった。 過ごして来た日々の充実を感じさせられる。

「かもめ食堂」は、北欧、フィンランドの首都、ヘルシンキで三人の女性が小さな日本食堂をやるという、大人のための童話とでも言いたくなるお話し。
ドラマ全体が、どこか浮世離れしてファンタスティックなのも、ヘルシンキと言う土地柄、その夏の淡い色彩感と良く合っていると想う。

小林聡美 と共にかもめ食堂を切り回すことになるのは もたいまさこ と 片桐はいり。
どうです? このラインナップ。
室井滋はいないの? なんて突っ込んでみたくなるのは、あながち私だけではあるまい。

それぞれに違う事情を抱えて北都ヘルシンキへとたどり着き、縁会ってこの地で知り合った三人。
各々の来歴について、一応紹介はするものの、詳しいところは良く知らないまま。
特段、我が身について多くを語りもせず、また殊更他人の事情について深く知ろうともしないのである。

他人に優しく、己をしっかりと律して生きる。 かもめ食堂の主人で、武道家の娘という設定のサチエ役に小林聡美。

マサコ役に もたいまさこ。 三人の中では年長で、その慇懃な物腰からは、なにやら人生の修羅場を潜って来たらしく察せられる、ある種スゴミを漂わす。 やっぱり猫が好きなのか・・・・・

ミドリ役に 片桐はいり。 他の二人に比べて幼さを残す言動は、いささか繊細さに欠けるようでいて、でも、三人のハーモニーを乱すことはないのである。

その他、かもめ食堂の常連で日本オタクのトンミ・ヒルトネン青年をはじめ、登場するのは穏やかでシャイな好人物ばかり。
暖かで、でも、人さまの領域には必要以上に立ち入らない。 絶妙の距離感を保つことの出来る人たちと、共に居ることの心地好さ。
いつまでも、そのドラマの中に浸っていたくなる、丁度好い湯加減の映画です。
この作品にすっかりハマった私は、一週間の間に四度観てしまった。 いくらなんでも、これはやりすぎだろう、と想って、以降は自粛しているけれど。 でも、もうしばらくしたら・・・・・

三人の小気味好いやりとりから、陽水の「クレイジーラブ」へとつなげる、ラストシーンがまた粋だ。
 

|

« SLつけ麺 | Main | 第12回三遊亭あし歌勉強会 »

Comments

もとよしさん、おはよう御座います!

私もこの作品に流れるゆっくりした空気が心地よくって嵌りましたよ。
もとよしさんの気持ちがよ~くわかります(^^)。

あの三人+食堂に集う登場人物のアンサンブルも見事でしたよね。

最後の「いらっしゃーい」から陽水に行くところもグッドでした(^^)

Posted by: バルカローレ | March 08, 2008 at 09:36 AM

こんにちは。
 この映画観たかったです。残念ながら近くの劇場では上映されませんでした。
もとよしさんの記事読んでますます観たくなったわたしでした。
小林聡美さんわたしも大好きなのですが、ほんといい感じになってきましたね。

Posted by: みい | March 08, 2008 at 10:22 AM

>バルカローレさん

やっぱり、ご覧になってましたか。(^ァ^)

サチエ、マサコ、ミドリの三人とも、それぞれの役者さんが本当にハマリ役と想います。 三人の交わす何気ない会話の、間合いや空気感に惹かれます。
トンミ・ヒルトネン、マッティ、謎の中年女性(名前を失念)ら、現地の役者さんとの掛け合いも好かった。

「かもめ食堂」があんまり好い雰囲気なんで、常連になってみたくなりますね。
焼鮭、おにぎり、豚カツ、生姜焼き、幻のコーヒー、シナモンロール・・・・出て来る料理が、どれも美味そう。(^ァ^)

Posted by: もとよし | March 09, 2008 at 11:52 AM

>みいさん

> この映画観たかったです。残念ながら近くの
>劇場では上映されませんでした。

それは残念でしたねぇ。(^^ゞ
この映画、当初は限られた場所で上映したのみだったそうで、製作者側も、これほど話題作になるとも、またヒットさせようとも考えてなかったんでしょうかね。 私もDVDで鑑賞しました。

映画としては、シンプルな小品って言う感じですけれど、繰り返し観ているうちに、北欧らしい家具や調理器具、小道具関係など、細かいところに凝っているのが、私にも判って来ました。
ああ、また観たくなって来た。(^^ゞ

Posted by: もとよし | March 09, 2008 at 11:55 AM

はい、確かに良い映画でした。
私も好きですよ。

こういう映画を見ていると、人生はかくありたい。
なんて思います。
でもみんなそう憧れても出来ないから、映画として人気なんでしょうね。

Posted by: 晴薫 | March 09, 2008 at 10:31 PM

私もこの作品は好きですねえ。週に4回観てしまうというのがよく理解できますよ。私もかもめ食堂の常連になりたいです(笑)。この映画もきっかけになって(それだけではないのですが)、最近フィンランド語を勉強し始めました。

映画は映画で完全に一体をなしているのですが、この映画を作るだけのため(?)に書かれたという原作の方もなかなか面白いのでお薦めです。

Posted by: くあい | March 10, 2008 at 08:27 AM

>晴薫さん

そうですよね。 かくありたいもンです。(^ァ^)

おそらくは、色々とあったに違いない、日本でのしがらみから逃れて、北欧フィンランドへとたどり着いた三人の女性。
なにより閑古鳥の鳴く食堂の運転資金はどうしたんだろう、とか。(笑) 地元ヘルシンキの人々が和食を食べる(しかもお箸で!)のが矢鱈上手かったり。(笑)

実際は、なかなかそう上手くは行かない筈ですけれど。(^^;
巧みにギミックを配してまとめてありますね。
そこいらあたり、卓抜した造りの映画と想いました。

Posted by: もとよし | March 10, 2008 at 10:34 PM

>くあいさん

フィンランド語に挑戦中ですか。 流石!!

サチエが話すフィンランド語。 もちろん私にはまるで判らないわけですけれど、気張らず、気取らず、自然体で話しているようで、如何にも現地の暮らしに溶け込んでいるサチエらしく感じました。

映画のために書かれたと言う原作の方も、機会があれば読んで見たいですね。

Posted by: もとよし | March 10, 2008 at 10:38 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61645/40418522

Listed below are links to weblogs that reference かもめ食堂:

» ruokala lokki ~ かもめ食堂(群ようこ) [かいものろぐII]
映画を観て以来、原作の小説の方も読んでみたいと思って古本チェックを欠かさずにいましたが、本日漸く見つけました。半分ぐらい読みましたが、とても面白いです。映画のために書き下ろされた小説だけあって、全然違和感ありません。映画では語られなかった、登場人物の背景(..... [Read More]

Tracked on March 10, 2008 at 08:30 AM

« SLつけ麺 | Main | 第12回三遊亭あし歌勉強会 »