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March 31, 2008

鈴本早朝寄席 08年03月30日

 
  鈴本早朝寄席
  
     2008年03月30日(日曜日)
 
          午前10:00開演
 
 
のんびり家を出て来たせいで、鈴本に到着したのは最早開演も間際の時間。
慌てて木戸へと駆け込む。 
受付でモギリに付いていたのは未だ着物に着替える前の金翔さん、小駒さん。
早朝寄席は二つ目さんの勉強会ということで、こういう雑務も出演者が勤めねばならない。 高座で見せるのと同様ニコヤカな笑顔で、気分好く迎えて貰った。
 
 
鈴々舎馬るこ  「蝦蟇の油」
昨今急増している韓国からの団体観光客に対応すべく、韓国語通訳を雇い入れる、御馴染み蝦蟇の油売り。
口上の方も、伝統的パターンに、韓国語バージョンが加わる。
こちとら韓国語はまったく判らないのだけれど、馬るこさんの語る韓国語の口上が中々堂に入ってます。
 
 
三遊亭金翔  「紙入れ」
そのなり、そしてキャラもまあるい金翔さん。
品好く、ホワッとした雰囲気で、こういう艶っぽい噺が好く似合う。
特段、噺の中に具体的な描写があるわけじゃなし、でもその背景に色事のあったことを、それとなく了解させる。
艶福で、しかもしたたかな御内儀さんが好いね。
 
 
金原亭小駒  「四段目」
定吉の跳ねっ返り丁稚キャラがカワイイですな。
そんな定吉が、独りお芝居の場面をはじめる。 これが堂に入って本格的なもので、その場にみるみる劇的空間が立ち上がってゆくんですね。
芝居の世界と、現実の丁稚の生活と、その落差の激しさが可笑しい。
 
 
三遊亭あし歌  「井戸の茶碗」
ハイピッチで進める導入部分は、聴いていて実に心地好かった。
立て板に水の流れるように、言葉がさらさらと耳に入ってくる快感。 落語のシャワーだ。

中盤以降はノーマルピッチに落とし、じっくりと聴かせます。
若侍の高木作左右衛門に浪人の千代田卜斎。 二人の内、千代田の方に共感が強く、聴くべきところも多かったように想う。

クズ屋仲間の語る、法螺話しのバカな可笑しさ。

貧乏浪人の千代田が小判をつき返されて憤然とする場面など、殊更声を荒げるでなく、むしろぐっと声を落として語るのが、千代田という人。 貧すれど誇り高き侍の姿を描いて共感を呼ぶ。

「井戸の茶碗」と言うのは、正直者がお終いには福を掴む、まことに気持ちの好い噺。
あし歌さんに好く合っていると想う。
 

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March 30, 2008

黒門亭 08年03月29日 夜席

  
  黒門亭
 
    2008年3月29日 (土曜日)   夜席
  
      東京で大爆笑 「三枝の噺の会」
 
 
この日の黒門亭は表題の通り、「いらっしゃ~い!」の桂三枝師匠が造った創作落語のみを集めた会であります。
演じるは、いずれも東京の噺家で、三枝師匠のお作を持ち根多とする、柳家はん治師匠、林家種平師匠のお二人。


前座 三遊亭かる美  「たらちね」


柳家はん治  「背なで老いてる唐獅子牡丹」
登場人物はいずれもそのスジの高齢者ばかりという近未来落語。
寄る年波に負けじと無理をしたり、ちょっと哀れっぽくなったりと、こういう雰囲気が、はん治師匠の語り口に上手くハマっているんだよね。


林家種平  「ぼやき酒屋」
居酒屋を訪れたヘンなお客。 その、ちょっとアヤシイおじさんぶりは、種平師匠のキャラそのまんまですな。
三枝ギャグの連発に爆笑の黒門亭。


柳家はん治  「鯛」
料理屋の生簀に放たれた鯛たちの運命は・・・・ 悲劇(?)の要素を持ちながら、でも面白くて笑いの絶えない噺。
鯛たちの会話には、渋さ・・・と言うよりも、どことない諦念さえ漂って、やがて可笑しさの込み上げて来る、はん治師匠の語り口が良く似合う。


林家種平  「お忘れ物承り所」
JRの遺失物センターに次々と現れる人々のズッコケぶりを描く。 流石は三枝師匠。 実に上手い場所に目をつけたモンです。
  

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March 28, 2008

新タワーネーミング全国投票

 
高さ約610mの新しい東京タワーが、墨田区の押上に建つ。
今年の七月に着工され、竣工は明々後年の七月になるというこの塔は、これまで新東京タワー、すみだタワーなどと呼ばれて来たけれど、いずれも仮称であって、正式な名称はついていなかった。

その新タワーのネーミング全国投票が、この四月一日から始まる。 正式名称の候補は既に上がっていて、その中から投票によって一つが選ばれるとのこと。
候補は以下の六つ。
 
 
 ・東京EDOタワー
 
 ・東京スカイツリー
 
 ・みらいタワー
 
 ・ゆめみやぐら
 
 ・ライジングイーストタワー
 
 ・ライジングタワー
 
 
さあ、如何なモンでしょう?
一般公募で集まった中から、六つに絞ったとのことだけれど、他にもっと好いのはなかったの? とか言いたくなる。 「東京タワー」のような、簡潔にして揺るぎのない名前が候補に上がっていれば素敵なのに。

特に三つの語が繋がった名前など、とてもそのままで呼ばれるとは思えない。 いずれ短縮され形が、デファクトスタンダードとして定着するであろう。

一体、こういう上意下達は、しばしば無視または反発を喰らう。 上から(または企画した側から)与えられた名前というのは、往々にして通り名とはならないものである。

例えば「東京ドーム」の愛称、「ビッグエッグ」。
私は未だかつて、このドーム型施設がそのように呼称されるのを聴いた試しがない。
あれは、あくまで「東京ドーム」。 または東京を端折って「ドーム」と言えば通る。
これが英語圏、「ニューヨーク」を「ビッグアップル」と呼ぶ語感を持つ人々の間でならば、また違うであろうけれど、日本人の語感には、「ビッグエッグ」という響きが、どうにもピンと来ないのではないか。

「コカ・コーラ」には、その主力商品を「コーク」と呼ばせようという野望がある。
ずっと昔から、CMを打ったり、その名をコマーシャルソングに織り込んだりして、あの手この手が試みられているけれど、生憎とユーザーからは全く相手にされないでいる。
使い慣れない英語風の呼び名など、日本人にはこっ恥ずかしくて口に出来ないのが、判らないでもないだろうに。
 
話しが逸れた。
ともかく、新タワーの正式名称、その六つの候補のどれもが気に入らなくて、なんだか暗澹たる気分になってしまった私なのである。
でも、ネーミング投票の一等賞品は、「開業時に一番最初に展望台に上がれる権利 & 副賞50万円」だと言う。
これは魅力だよねえ。 私も欲に目が眩んで、そのうち投票しちゃうかもしれません。
 

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March 23, 2008

バタリアン

  
 バタリアン
 Return of the Living Dead
 
  監督、脚本:ダン・オバノン
  出演:クルー・ギャラガー:バート
         (医療機器販売会社の社長)
      ジェームズ・カレン:フランク
         (同社のベテラン社員)
      トム・マシューズ:フレディー
         (同社の新入社員)
      ドン・カルファ:アーニー
         (葬儀屋、バートの旧友)
      ベヴァリー・ランドルフ:ティナ
         (フレディーの恋人)
 
         1985年 米国
 
 
私は、映画を好む者である。 しかしながら、ホラーものだけは一切見ないことにしている。
なにしろこちとら、筋金入りの超怖がりと来ていますからね。 誰が好き好んで、お金と時間を費やして、わざわざ怖い想いをしますかって。
それが、この春の凶悪な花粉症のおかげで何処かのネジが吹っ飛んでしまったものか、生涯縁のない筈のホラー映画に手を出してしまった。
 
「バタリアン」。 そのタイトル(あんまり、好い邦題ではないと想う)だけは、以前から私も聞き知っているくらいだから、さぞかし名作なのであろう。
ホラーのマスターピースと来れば、コワさの方も、また超絶級に違いない。 この手のものに対して、まったく免疫力を持たない私などが観て、果たしてダイジョーブなのであろうか。
 
        ▽▲▽▲▽▲
 
結果から言ってしまうと、コワさはなんとか許容囲内に留まってくれ、最後まで鑑賞し切ることが出来た。 ふぅ。
それどころか、笑っちゃいそうな展開さえあり、ドラマとしても優れた、予想外に楽しめる映画だったのである。
 
出演の役者、特に医療機器販売会社の三人と葬儀屋の演技が秀逸。 映画の冒頭部あたり、バートとフレディーの絡みがとても好かった。
社員二人が社長のいない間に交わすヨタ話し、その怪談ネタを切っ掛けに好奇心を煽られ、(止せば好いのに!)ある事情から永く地下室に仕舞い込まれている、決して開けてはならないと言われるカプセルに手を掛けてしまい・・・・・・
 
如何にもホラーっぽい雰囲気を醸して、さあさあ恐怖シーンが来るぞ始まるぞと、見る側を煽るあおる。 さあ、いよいよ怖くなるかとドキドキさせておいて、いつか可笑しささえ込み上げて来る造りには、してやられたって感じです。
 
いずれも等身大に描かれる登場人物らは、ちょっと頼りないオトナたちに、80年代風イカレタ若者たち。 あんまり立派なのは出てこない。
大の男が、Living Deadを目の当たりにして、恐さと気持ち悪さで半泣きになってしまうあたりが、いっそリアルで、ホラー&(やや)コメディと言うばかりでなしに、人の織り成すドラマとして良質だと想う。
ロックを多用した音楽も、ホラーらしさと時代の雰囲気を伝えて、実に好い感じ。

監督、脚本のダン・オバノンは、あの「エイリアン」(1979年)でも脚本を担当していた。
そのためであろう、細かいところで「エイリアン」のセルフパロディーをやっているのが興味深い。
・Living Deadを封じ込めていたカプセルは、エイリアンの卵そっくり。 地下室には同型のカプセルが幾つか眠っていて、これもエイリアンの産卵場に似ている。
・身体を寸断されたLiving Deadを拘束して、なぜ人を襲うのかを聞きだすシーン。 やたら饒舌なLiving Deadは「エイリアン」の船医、あの悪夢のようなシーンを髣髴とさせる。

ホラー映画ってことで、ビビリながら観始めたものの、怖いのがまったくダメな私でも十二分に愉しめる映画になっている。 ほっ。

と想ったら、衝撃のラストシーンが私を待っていた。
 

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March 20, 2008

花粉禍

 
世は正に花粉症まっさかり。 人が集まれば、大概は花粉症ネタで盛り上がる。
私の場合、もともと、それほど酷くはない、ごくごくライトな花粉症で過ごして来た。 だから、今シーズンも、楽勝で乗り切れると高を括っていたのだけれど、それがそうではなかった。 今年はケッコウ来てます。

まずは目。 軽いショボショボ感は例年通りだけれど、それが一日中止まらない。 なにより視界が矢鱈と霞んでしまい、挙句眩暈がして来るのには参った。
そして鼻。 鼻腔の奥の方が、なにか引っ掻かれたように傷んで、くしゃみが止まらなくなる。 何故か朝、起き抜けとか、それから風呂上りなどに、酷い状態である。

ここ数日は、なんだか気分的に落ち込んでしまって、どうにも意気が上がらないで困っている。
まあ花粉のせいばかりではなく、日頃の不養生、不摂生も原因に加えねばならない、それは確かなのであるけれど。
とまれ、もちっと睡眠時間を増やして、食生活のこともちゃんと考えんとイカンなあ、などと珍しく反省している今日この頃なのであります。
  

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March 18, 2008

冬の蚊

 
冬の蝶、冬の蜂なんていうのが季題にあったと想うけれど、そうではなくて蚊なのである。
それが、ここ数日前から、急に湧き始めたものか、我が家の中に後からあとから進入して来る。
夏場の蚊と比べて、運動性は格段に劣るものの、なかなか果敢にアタックして来る奴らで、気のつかないうちに、あちこち随分と喰われてしまった。
それに、周囲を無遠慮に飛びまわって、接近してくる羽音が耳障りでタマラナイ。
とうとう、三月というのにに蚊取り線香を炊く羽目になった。 全くもって、季節外れも甚だしい。

そもそも夏でもないのに何故蚊が出るのか? もともと蚊の多い(例えば、以前の住まいに比べて)我が家とはいえ。
不審に想い、ネットで検索してみたら、チカイエカと言う種が、最近都市部で増えているとのこと。
こいつらは、冬季にも休眠せず、ちょっとした水場さえあれば、年中どこでも繁殖するというから、我が家の闖入者もこれかもしれない。
それにしても、蚊といえば夏の虫とばかり思っていた。 通年営業するタイプがいたなんてまるで知らなくて、吃驚仰天なのである。

人口の密集した地域ならば、冬場といえども気温は比較的暖かであろうし、各家庭からの排水なども豊富の筈。 繁殖に必要な条件は十分に揃っているわけである。
きっと、我が家の近所、建物の片隅に出来た水溜りやら側溝など、容易には目に付かない場所に、ボウフラの大量発生地があるんじゃあないだろうか。 でも、そうだとすると抜本的な蚊対策は立て難いよなあ。 これからは、年中無休で蚊取り器のお世話にならなきゃならんのか。

因みに、現在、我が家でこれだけ蚊がみられるというのに、近所のイオン津田沼ショッピングセンターでは、蚊取り関連の商品は、未だ売りに出してはいない。
 

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March 13, 2008

まいはらひがし

 
今日、ある申込用紙の住所欄に我が家の所番地を書いていて気のついたことをば。

その用紙の、住所欄の上に振仮名を記すようになっているのだけれど、そこになんと書けば良いのか、と言うはなしである。

現在私は千葉県船橋市前原東というところに住んでいる。
これを私は「ちばけんふなばししまいばらひがし」と読んでいたのですね。
確か、当地に引っ越して来た折、不動産屋の社長からそのように聴いた筈なのである。

それが今日、ふと思い立ち、ネットで検索してみたら、前原は実は「まえばら」と読むのが正しいらしい。

以下はWikipedia「前原」からの引用
<<
住居表示(前原西・前原東)はかつて、「まいはらにし」「まいはらひがし」が正式な読みだったが、2003年4月1日、それぞれ「まえばらにし」「まえばらひがし」に変更された(船橋市議会 平成15年第1回定例会 議案第41号)。その他の読みは以下の通り。

新京成線前原駅「まえばら」
船橋市立前原小学校「まえはら」
船橋市立前原中学校「まえばら」(「まいはら」から改称)
前原団地「まえばら」
>>

前原は元々「まいはら」だった。
それが2003年に改定されたと言うのだから、前原東も、つい五年程前迄は「まいはらひがし」と名乗っていたわけだ。 古い地名を私に告げた、不動産屋の社長の言は、昔から当地に暮らして来た人の言葉として当を得ている。
「まいばらひがし」と、「は」の字に濁点を付けて覚えていたのは私の間違いであった。

ふむ、現在は「まえばら」が正しい読みでしたか。
難読地名、とまではいかないまでも、間違えて読まれがちな名前を、(故事来歴はさておき)読み易いように改めましたってところだろうか。
なんとはなしに、前の字は「まい」と読む方が好きなんだけれどね。
ちょいと切ない気分で、住所欄の振仮名に「チバケンフナバシシマエバラヒガシ」と記した。
 

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March 10, 2008

第12回三遊亭あし歌勉強会

   
  第12回三遊亭あし歌勉強会
  
     ギャレー美舟
  
        2008年03月09日(日)  15:30
  
  
不覚にも二連続で欠席してしまった、あし歌さんの勉強会。
ようやく復帰出来たと想えば、なんとまあ今回で最終回になると言う。

実はこの9月に目出度く真打に昇進されると言うあし歌さん。
その準備が多岐に渡り、忙しさも極まるとのことで、勉強会はこれをもって卒業と言うことになった。


一龍斎貞寿 講談
貞寿さんは、一昨年二月の桃川鶴女の会で初めて聴いた。
この日の演目も、あの時と同じ。 (題名を知りません。 なんとも申し訳ない。)
けれど印象は少し違って、何故だか二年前よりも更に若々しくフレッシュに感じる。
師匠方の前で演じる時よりも、伸び伸びと出来たと言う事なのか。 いや、それとも、ギャレー美舟と言う空間の為せる技だろうか。
 
 
三遊亭あし歌 「明烏」
気合充分と感じた。
話し手も聴く側も、共に見も知らぬ吉原。 みんなして想像力全開のまま噺が進みます。
サゲ近く、一夜明けてから甘納豆、そして見返り柳に至るやりとりが白眉。
  
  
三遊亭あし歌 「宮戸川」
あし歌さん卒業の一席。
昨年十二月に黒門亭で聴いた根多である。 今回は、その折と比べて、更にスッキリ化の傾向にあるかな。
 
 
あし歌さん、勉強会お疲れさまでした。
 

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March 08, 2008

かもめ食堂

  
 かもめ食堂
 Ruokala Lokki
 Kamome Diner
 
  監督:荻上直子
  脚本:  〃
  出演:小林聡美
     片桐はいり
     もたいまさこ
 
        2006年   日本
 
 
小林聡美はホント綺麗になりましたな。
この映画の撮影当時で、そろそろ四十台に乗っかったあたりだろうか。
若い頃に比べ、ドガチャカしたところが抜けて、本来持っていたボーイッシュな雰囲気に、適度な円満さが加わった。 過ごして来た日々の充実を感じさせられる。

「かもめ食堂」は、北欧、フィンランドの首都、ヘルシンキで三人の女性が小さな日本食堂をやるという、大人のための童話とでも言いたくなるお話し。
ドラマ全体が、どこか浮世離れしてファンタスティックなのも、ヘルシンキと言う土地柄、その夏の淡い色彩感と良く合っていると想う。

小林聡美 と共にかもめ食堂を切り回すことになるのは もたいまさこ と 片桐はいり。
どうです? このラインナップ。
室井滋はいないの? なんて突っ込んでみたくなるのは、あながち私だけではあるまい。

それぞれに違う事情を抱えて北都ヘルシンキへとたどり着き、縁会ってこの地で知り合った三人。
各々の来歴について、一応紹介はするものの、詳しいところは良く知らないまま。
特段、我が身について多くを語りもせず、また殊更他人の事情について深く知ろうともしないのである。

他人に優しく、己をしっかりと律して生きる。 かもめ食堂の主人で、武道家の娘という設定のサチエ役に小林聡美。

マサコ役に もたいまさこ。 三人の中では年長で、その慇懃な物腰からは、なにやら人生の修羅場を潜って来たらしく察せられる、ある種スゴミを漂わす。 やっぱり猫が好きなのか・・・・・

ミドリ役に 片桐はいり。 他の二人に比べて幼さを残す言動は、いささか繊細さに欠けるようでいて、でも、三人のハーモニーを乱すことはないのである。

その他、かもめ食堂の常連で日本オタクのトンミ・ヒルトネン青年をはじめ、登場するのは穏やかでシャイな好人物ばかり。
暖かで、でも、人さまの領域には必要以上に立ち入らない。 絶妙の距離感を保つことの出来る人たちと、共に居ることの心地好さ。
いつまでも、そのドラマの中に浸っていたくなる、丁度好い湯加減の映画です。
この作品にすっかりハマった私は、一週間の間に四度観てしまった。 いくらなんでも、これはやりすぎだろう、と想って、以降は自粛しているけれど。 でも、もうしばらくしたら・・・・・

三人の小気味好いやりとりから、陽水の「クレイジーラブ」へとつなげる、ラストシーンがまた粋だ。
 

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March 05, 2008

SLつけ麺

 
私が津田沼の地に来て初めて入った店がココ、「SLつけ麺」。
津田沼駅の直ぐ傍、千葉工大を目の前にした位置にあるからして、大学生を主なターゲットにしているのかと思うのだけれど、勤め人、グループなど客層は結構多彩。

そもそも店名についているSLとは? ・・・・Steam Locomotive のこと? JR津田沼駅前にあるから? その昔、蒸気機関車が走っていたそうだし。 あるいは、店主が鉄っちゃんとか?
とまれ、店名の由来は不明なのである。

さて肝心のお味は。 昔からずーっとコレでやってますって感じの、フツーの中華、ラーメン屋のそれ。
メニューには麺類からご飯ものまで中華一通りが揃っている。
店名につけ麺を名乗るだけあって、モチロンつけ麺もある。 都内によくある「つけめん大王」とか、イメージして頂けると、かなり近いかもしれない。

でも、ここに来て私が注文するのはほとんどの場合タンメン。
大盛りをオーダーした覚えはないハズだが、普通サイズを超えたボリュームのタンメンがドン!と出て来る。
もう、これまでに何度も食べているけれど、大ぶりの丼がホカホカと盛大に湯気を立てているのが結構なド迫力で、見るたび、いつも一瞬仰け反ってしまう。

丼に盛られたたっぷりの野菜は、スープ面から円錐状に盛り上がって独立峰を形成している。
霊峰富士の如く、なだらかな稜線を持つコニーデは、頂上から崩す気にならず、まずは裾野の辺りから喰い始めるのだけれど、食べれど食べれど、なかなか減らなくて、いつか、タンメンと格闘しているような気分になって来る。 ようやく征服したころには、お腹一杯になって満足まんぞく。

店内は十分に広いのだけれど、テーブルのレイアウトがイマイチと言う気がする。 また、店内の喫煙率が高くて、混んでいる時の居心地はあんまりよろしくない。

しかし、なんと言っても駅の傍だし、腹ペコで帰宅する途上など、ここで腹ごしらえしていくって使い方が出来るのが好い。 深夜まで営業していてくれる、頼もしい存在である。
 

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March 04, 2008

習志野シティフィル第45回定期

  
習志野シティフィルハーモニック 第45回定期演奏会
  
  2008年3月2日(日) 14:00 習志野文化ホール
  
   指揮:小室昌広
   演奏:習志野シティフィルハーモニック
 
  
 ビゼー   :組曲「カルメン」より
 ブラームス :交響曲第四番 ホ短調 作品98
 
 
津田沼に引越ししてからこっち、部屋の片隅に放っぽり投げたままにしてあったスピーカーの角に、膝を思いっきり打ちつけてしまって七転八倒。 もう、痛いの痛くないのって。
足を引きずる、というほどじゃあないけれど、ヒリヒリと痛む膝を労わりつつ、本日の会場、習志野文化ホールへと向かう。
このホールは津田沼駅に近く、駅の出口から良く見える位置にあるんだけれど、ホールの玄関にたどり着くまでに幾つも階段があって、こういうときは、ちと恨めしい。

習志野シティフィルハーモニックの演奏会は一年半ぶりくらいだろうか。 前も同じ会場で、確か比較的ポピュラーなプログラムを聴いた。
 
ビゼーの組曲「カルメン」は、いつ聴いても愉しい。 日曜日の午後に、リラックスして聴くには持って来いの好選曲である。
木管が、折角の聴かせどころで、息切れしてしまったのか。 ちと残念でしたな。
トランペットが大健闘して、たった独りで会場に春の風を呼び込んでみせたのはお見事。
指揮者とオケが一丸となる、怒涛の終曲で締め括った。
 
ブラームスの交響曲第四番を聴くのは、実に久しぶり。
やはり、何度聴いても好いのです。
弦の瑞々しさが好い。 温和な響き、さっき聴いたばかりのビゼーの演奏とも通じるところがある。 このオケの個性だろうか。
過度に深刻になることのない、春待ちのブラームスでした。
 
 
 習志野シティフィル第42回定期
 

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March 02, 2008

鈴本早朝寄席 08年03月02日

  
  鈴本早朝寄席
  
     2008年03月02日(日曜日)
          午前10:00開演
 
 
バチ当たりにも、二日連チャンの鈴本通い
以前、同じ早朝寄席で聴いて感心した亜朗さん目当てで、眠い根をこすりながら木戸をくぐる。


春風亭一之輔 「長屋の花見」
落語の根多というのは、季節を先取りするのが粋なんだそうで、早々と花見の噺を出して来た。
一之輔さんの高座は久々と言う気がする。 やっぱり好いね。 若手ながら、一本気骨の通っている噺家さんだ。
朝一番の、とてもやり難い出番だろうに、未だ眠い客席をしっかりと暖めてみせた。


柳家さん若 「野ざらし」
枯れた風貌と相反して、噺の方はまことに元気が好い。 このキャラは、寄席では強力な武器になる。


三遊亭亜朗 「お菊の皿」
最初はフツーに「お菊の皿」をやっていたのが、お菊さんが評判になって、お客が急増する辺りからが大胆にアレンジされていて、これはもはや新作と言うべきか。
サービス精神旺盛で楽しい。 ギャグとして「ライオンキング」をはじめ劇団四季ネタを仕込んで来たけれど、こちとら、元ネタを知らないものだから、さっぱり反応出来なかったのが残念至極。
全体的に、語り口が荒っぽくなる瞬間が散見されて、ちと気になってしまった。 まあ、あまり慎重になりすぎると、今度は語りの勢いを失ってしまうものなのかもしれないけれど。 声を張り上げる時、円丈師匠とソックリの声になるんですね。


柳家三之助 「粗忽の釘」
三之助さんと言えば、ワタシ的には、落語協会の「インターネット落語会」での流暢なホストぶりでお馴染みである。
この日の高座も、話しの緩急、強弱のコントロールがデリケートで見事。 品良く、物腰も柔らかで、如才ない語り口が好い。
心なしか噺がちょっと短い気がしたけれど、時間の関係だろうか。(この後、定席の昼の部が控えているから、終了時間は厳守の筈)
 
 

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鈴本ひなまつり寄席

 
2008年3月1日(土曜日)  鈴本演芸場  <夜席>
 
  <鈴本ひなまつり寄席>
 
 
このところ、就寝タイムのBGM代わりとして、柳家喬太郎師匠の落語のCDを愛聴している。
新作落語が二つ収録されたCDの内、一席目の「すみれ荘二〇一号」を聴きながら毎夜眠りにつくのである。 (二席目の「夜の慣用句」がはじまる前に、いつも眠ってしまう) 毎夜聴いて飽きの来ない新作。 これは最早、古典の域に達しているのではないか。
そんなわけで、喬太郎師匠の噺が聴きたくなり、鈴本演芸場に出掛けた。

お雛祭りだからなのか、この日の鈴本では女性客を数多く見掛けた。 皆さん華やいだ声でよく笑う分、客席がヤローばかりの時に比べ、好い感じに盛り上がる。
 
 
前座 三遊亭歌る美 「出来心」
 
 
柳家喬四郎 「松竹梅」
 
 
鏡味仙三郎社中 太神楽
 
 
柳亭左龍 「初天神」
起爆剤、左龍師匠。 客席の温度感を一気に上昇させる。
金坊の、なんにも買ってくれない父をねめつける表情が、あんまりスゴクって可笑しい。
「初天神」は何度も聴いてきたけれど、この演出は初めて見た。 左龍師匠の個性と相まって、素ン晴らしく効果的だな。
 
 
柳家喬の字 「肥瓶」
柳家小きち改め喬の字さん。 なかなかイケメンの新二つ目さんです。
この日が、二つ目になって初の高座なのだそうで、思いがけず、お目出度い席に居合わせることとなった。
一席終えて立ち上がる時、ウッカリ自分の座っていた座布団を捲り掛けてしまったのが、微笑ましく、ちょっとウケル客席。 もう前座さんじゃない。 今日からは、捲らなくて好いんだよネ。
 
 
漫才 大瀬ゆめじ・うたじ
 
 
古今亭菊之丞 「替わり目」
菊之丞師匠は好いよねえ。 台詞や所作の一々が、粋でかつユーモラス。
飲兵衛の亭主の可笑しさ、御内儀さんの艶っぽさなど。 ホレボレとする高座だった。
 
 
林家正蔵 「蜆売り」
この噺は、以前にテレビで講談として聴いたことがある。
しんみりとして、落語にするにはいささか無理があるかとも想ったけれど、なんのなんの、人情噺として落語でも十分にイケますね。
正蔵師匠の語りには、聴き手を噺の世界にグイグイと引きずり込んでゆく強い吸引力がある。
 
 
  <お仲入り>
 
 
粋曲 柳家小菊
 
 
柳家喬太郎 「謀報員メアリー」
新作。 上野広小路界隈の酔っ払いから外交問題までをネタにとった、ある意味タイムリーな噺。 喬太郎師匠、初日から飛ばしてますな。
破壊力抜群、自虐的、更には危ないギャグの連打で、この日「柳家さん喬と愉快な仲間たち((C)柳家喬太郎)」の中で一番笑いを取った一席。
 
 
紙切り 林家正楽
客席から「さん喬師匠」と言うお題が出た。 出来上がった切り絵は、さん喬師匠を前に「謀報員メアリー」の解説(言い訳?)をする喬太郎師匠の図で、客席ウケル。 好いですなあ、こういう雰囲気。
 
 
柳家さん喬 「妾馬」
八五郎と三太夫のやりとりが可笑しいや。 この噺の後ストーリーとして、きっと赤井家中の凸凹コンビになったんじゃないだろうか、なんて思わせる二人である。
たっぷりと間合いを取って笑わせて、そして妹のお鶴との、ご対面の場面で泣かせます。 隣の席から、微かな嗚咽の声が漏れ聴こえて来た。
 
 

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