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September 30, 2007

嫌われ松子の一生

 
  嫌われ松子の一生
 
    山田 宗樹著
 
       2004年
 
 
小説の冒頭、女教師として故郷の中学に赴任して間もない松子が、悪徳校長に手も無く騙されてしまうあたりから、早くも嫌な予感はあった。

その後、自分の担当する生徒のしでかした、ある事件に対する、身の振り方のマズさから、故郷を飛び出した松子。 あとは、転落に次ぐ転落のモノスゴイ人生を送る。 それにしても、こんな転落の連続ってアリだろうか。 これじゃ転落劇のパロディだよ。

根っからマジメで努力家の松子であった。 小学生の頃から優等生で通し、やがて大学に進み中学の教師になる。 その勤勉さは、皮肉なことに、転落してゆく間も失われることなく、例えどんな仕事に就こうとも、常に抜きん出た成績を示す。 けれど、そうやって成功を掴みかけた矢先、人生の折々の分岐点で、必ず悪い方を選んでしまう松子と言う人。

依存症。 ようやく自分の進むべき道を見出し、上手くゆきかけても、その傍からオトコへの依存に走ってしまう。 毎度毎度これなんだから、読んでいてもう、タマラナク歯痒いです。 だからダメなんじゃないかって、松子を熱く諭してやりたくなってしまう。
あんまりな転落の連続に、もういっそ、堕ちるところまで、堕ちてみせてもらおうじゃないのって気になってしまった。 こういう奇妙なカタストロフの積み重ねが、作者の狙いだったんだろうか。

依存し、その度に裏切られ、を繰り返した松子。 晩年、もう一切のことに感心を失ってしまい、時間だけが矢のように過ぎ去ってゆく。 その姿が憐れでならない。
決して、面白くなかったわけじゃない。 でも、後味の悪いことについちゃ、天下一品の小説です。

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Comments

もとよしさん、こんにちはー!
原作本は読んだことがないのですが、映画を見ました。
これは、ちょっと私の苦手な主人公・・・。
でも、噂では原作の方が、映画より良いとか・・・。
なんだか、悲惨で見ていて、憂鬱になってしまいました。

Posted by: latifa | October 01, 2007 at 04:54 PM

>latifaさん

私は、映画の方を未見です。
メロドラマの悲惨なシーンをつなぎあわせたみたいなこの小説を、一体どんな風に映画化しているのか、そのうちに見てみようかと想っていたんですけれど、やはり辛い内容でしたか。(^^;

あまりにも悲惨な体験の連続なんだけれど、その運命を選ぶのは、いつも本人なので、どうにも同情し辛い主人公でしたね。(^^;

小説のほうは、淡々とした描写で、それほど暗くはないです。
どんなに底辺まで落ちても、持ち前の勤勉さで立ち直る主人公。 でも、さあこれから!って段になると、決まって挫折する。 それが、運の悪さや、悪い奴がいてとか、ばかりではなく、畢竟自分の依存心に掛かっているのが、この小説の不思議な味わいにつながっているのかと想います。

Posted by: もとよし | October 01, 2007 at 09:03 PM

映画は、評判よかったみたいですね。観たいと思いながら、観てない映画のひとつです。本も読んではいませんが。

なんだか、すごい人生ですね。そんなのありって感じの。
本、読んでみたくなりました。

Posted by: みい | October 02, 2007 at 09:22 AM

>みいさん

後味悪かったとか言いながら、お薦めするのもヘンな感じですけれど。(^^ゞ コワいもの見たさで読んでみてください。(^^ゞ(^^ゞ
挫折しても、やがて新たな目標に向けて立ち上がる松子。 その、成長してゆく辺りは、(それが、たとえ賤業であっても)なかなか読ませます。
そんな松子に、読者の方は応援してガッカリしての連続なので、中々に波乱万丈の想いです。(笑)

Posted by: もとよし | October 02, 2007 at 09:57 PM

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