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September 16, 2007

エヴァンゲリオン DEATH(TRUE)2

 

  
 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2
 
 
  総監督:庵野秀明
  出演  :緒方恵美  (碇シンジ)
       三石琴乃  (葛城ミサト)
       林原めぐみ (綾波レイ)
       宮村優子  (惣流・アスカ・ラングレー)

         1997年 日本


1995年~1996年に掛けてTV放送された新世紀エヴァンゲリオンの映画版。
内容は、TV版全26回中、1回~24回の時系列が大胆にシャッフルされていて、単なる総集編とは言えない。 シンジ君のエヴァとの出会いから、カヲル君の死までを大きく俯瞰して、「新世紀エヴァンゲリオン」と言うドラマを総括する。
映像は、大部分がTV版からの流用のようだけれど、ところどころ、新たに書き下ろされた絵と差替えられたシーンもある。(ヤシマ作戦での綾波の笑顔など、よりオトナっぽくなっている)

映画化するに際して、スタンダード・サイズからビスタ・サイズへと、画面の縦横比が変更されている。 画面の上下をトリミングしているので、構図的にちょっと印象が違ってしまった、残念なシーンもある。

エヴァ名物、画像固定&台詞なし&長回しのシーンは、テレビ版でのあの緊張感を、なぜか感じられなかった。 TVほど時間をたっぷり取ることのできない映画の場合、この手法は無理があるのではないか。
1.小田急ロマンスカー(?)のホーム越しのシンジ君とミサトさん。(ホームのアナウンスなし)
2.エレベーターで二人きりになった綾波とアスカ。(画面のトリミングで、綾波の首から下が欠けちゃった)
3.初号機によるカヲル君握殺(!)。 音楽(第九終楽章)が雄弁に過ぎて、かえって緊張感を欠いてしまったように想う。 ここは無音にした方が好かったのではないか。

テレビ版本編ではチェロの独奏を披露したシンジ君。 映画では、随所に弦楽四重奏の練習風景が差し挟まれる。 そのメンバーは以下の通り。

  1st Vn. :渚カヲル
  2nd Vn. :惣流・アスカ・ラングレー
  Va.    :綾波レイ
  Vc.    :碇シンジ

このシーンは、シンジ君が第3新東京市に来る前の出来事であるにも関わらず、この時点では未だ出会っていなかったエヴァのパイロットたちが奏者として出て来る。 これは、シンジ君のイメージの世界、夢の中ということであろう。
三人の仲間を、誰ひとり欠けても成立しない、カルテットのメンバーになぞらえ、それぞれを「第一絃」、「第二絃」、「第三絃」、そして自らは「第四絃」と言う風に紹介している。

こうしてみると、シンジ君の中での、三人の位置付けというものが窺えて興味深い。
綾波がヴィオラと言うのが好いね。 なるほど、彼女はここ意外考えられない。
アスカが第一ヴァイオリンでないのは意外、と言うか、よくも第二ヴァイオリンで納得したなと。

 「このア・タ・シが、どうしてセコバイなのよぉ!」(とまでは、劇中語っていないけれど)

アスカでなく、カヲル君にストバイを取らせたのは、シンジ君の心中の采配であろう。(「アスカ、ごめんよ」ってすぐ謝っちゃいそうなシンちゃん)

四人が弾いたのはパッヘルベルのカノン。(楽器編成が、ちと違うけれど、まあ好いか) バロック期に書かれた楽曲の常として、チェロは通奏低音を担当する。

 「チェロは好いわよねえ」

アスカが羨む通り、チェロにとって、これ以上単純な曲はない。 シンジ君のチェロは単純な二小節のパターンを延々と繰り返し弾くのみである。 (但し、単純 イコール 簡単、というわけでは決してなく、チェロは同じテンポ/リズムを曲の始めからお終いまでキープし続けなければならない) そしてその通奏低音の上で、他の三人は各々思い思いの旋律を奏でてゆくのだ。
シンジ君がこの三人と実際にカルテットを組んだわけではないけれど、そのような関係であれかし、と言うシンジ君の願いを絵にしたのがこのシーンであろう。

映画のエンディングもまたパッヘルベルのカノン。 全てを弾き終えたシンジ君は、チェロを担いで去ってゆく。 やがて来るエヴァ、そしてそれに関わる人々との出会いを、未だ知らずに。

TVで印象的だった、綾波が雑巾を絞るシーンは健在で、これは好かった。 たたんだ雑巾を縦に持って、きゅっと絞るのが美しいんだよね。

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Comments

もとよしさん、俺より良く見てらっしゃる。
>アスカが羨む通り、チェロにとって、これ以上単純な曲はない。シンジ君のチェロは単純な二小節のパターンを延々と繰り返し弾くのみである

さすが!
そうなんですか!
勉強になりました。
俺はたまたまのセリフかと思っていたよ。

>綾波がヴィオラと言うのが好いね。なるほど、彼女はここ意外考えられない
これ、理由教えてください(願!
もとよしさん流の解釈でいいですから。
私、ブログに書いてることだけイッチョマエですが、現実にはまったく楽器弾けないので、こういうのまったく分らないんです。

>綾波が雑巾を絞るシーンは健在で、これは好かった
うん、今後映画が続いても綾波が出ない回は、私は見ません(笑

Posted by: 晴薫 | September 16, 2007 at 09:36 PM

>晴薫さん

>そうなんですか!

いえいえ、偶々知ってただけでして。(^^ゞ

>これ、理由教えてください(願!

綾波的に、ヴァイオリンでは華があり過ぎ。
その儚げなイメージは、チェロでもないし。
派手さのない穏やかな音色。 常に和音の中間にあって(「絆だから」)、サポート役に持ち味を発揮するヴィオラがベスト・ポジションかと。

自信に満ちてジェントルなカヲル君は、やはり第一ヴァイオリンに適役ですね。 これでアスカが明るいムードメーカーになってくれれば、なかなかの布陣かと。(^ァ^)

Posted by: もとよし | September 17, 2007 at 10:15 AM

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Tracked on September 16, 2007 at 09:39 PM

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