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August 04, 2007

シムソンズ

 
  
 シムソンズ  Simsons
 
   森谷雄著
 
     2005年
 
 
巷間知られるように、シムソンズは2002年のソルトレークシティ・オリンピックに日本代表として出場した女子カーリングチームである。 北海道常呂町出身のメンバーで構成されたこと、そしてその爽やかな健闘ぶりが話題となり、カーリングという競技を一躍メジャーな位置に押し上げた。

あの当時、テレビで試合が放送された翌日だったか、友人と「まさか、カーリングを見て感動するとは思わなかったよね」なんて言葉を交わした記憶がある。
この小説はそのシムソンズをモデルに書かれたフィクションである。(シムソンズのことは映画にもなったそうで、著者の森谷雄さんは、その映画版「シムソンズ」のプロデューサーも務めたとのこと)

舞台は北海道、オホーツク海に面した常呂町(現在は北見市)。 知床と網走と言う、二大観光地に挟まれた静かな町である。 名物はサロマ湖に、特産のホタテ、そして、なによりユニークなのは、この町ではカーリングと言うスポーツを町民がこぞって楽しんでいると言うこと。
町内には日本初の屋内カーリングホールがあるし、町民の多くがカーリング経験者であり、また、いっぱしのカーリング評論家なのである。 好いなあ、こういう土地。 出来るなら、いつかこんな町に居を定めてみたいもんだと、切に想う。

小説は、常呂町に生まれ育った女子高生四人がシムソンズを結成するところから、最初の公式戦を果たすまでを描いている。 メンバーは、たとえば映画「リンダリンダリンダ」がそうであったように、個性が見事にバラバラな、現代を生きる、等身大の女の子たちである。

テーマは「信じる」こと。 肝心のカーリングの試合シーンはそれほど多くはない。 極々ユルい、そしてこれと言って新味のないスポ根小説と言えるかもしれないけれど、小説が短いのと、簡潔で優しい文体で通しているのとが相まって、上手くバランスが取れていると想う。

出てくる人物が誰もみな好い人ばかりだし、小説全体を充たす、ホワっとした空気感から来る居心地の好さなど、中々に得がたいものがある佳品と想う。
 
   映画版 シムソンズ
 

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Comments

スミマセンもとよしさん、脊髄反射で映画の方をTBしてしましました。

これ原作も良さそうですよね。
映画も良いですよ。

みんな可愛いんだ。
それだけで見てします。
加藤ローザはホステスなんてやっているよりよっぽど良いよ。
やっぱ純情一番だね。

Posted by: 晴薫 | August 04, 2007 at 11:31 PM

>晴薫さん

映画をご覧になってたんですね。 TBありがとうございます。(^ァ^)

四人のメンバーやカーリングのシーンはもとより、道東の風景やそこで暮らす人々の日常など、映画ではどう表現しているか気になりますねえ。
小説では、それぞれの将来の進路を意識し始めた高3の視点で、明るく爽やかに描いているのが印象的でした。
映画の「シムソンズ」の方も、そのうちに見てみたいと想います。

Posted by: もとよし | August 05, 2007 at 01:16 AM

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Tracked on August 04, 2007 at 11:27 PM

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