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August 19, 2007

皇帝ペンギン

 
  
 皇帝ペンギン
 LA MARCHE DE L'EMPEREUR
 THE EMPEROR'S JOURNEY
    (MARCH OF THE PENGUINS)


   監督:リュック・ジャケ

      2005年 フランス


暑い日が続くんで、せめて映像から涼を得たいゾと。
選んだのは標題そのまんまに、南極に暮らす皇帝ペンギンの、求愛から抱卵、育雛、そして巣立ちまでを捉えた映画。

なにしろ主人公は「ペンギン」と言うから、その通俗的なイメージから、ほのぼの志向の子育て映画を連想したのだけれど、なかなかどうして、中身は至って地味かつシリアスな作品であった。
「ユーモラス」とか「カワイイ」と言ったイメージだけで臨んだり、娯楽作品を期待したりすると、肩透かしを食らい、と途中で退屈してしまうのは必定。

南極大陸。 一面白と青の世界。 繁殖地に向けて氷原を粛々と歩み続ける、無数の皇帝ペンギンの行列を遠景から捉えたショットは、まるでヒトが群れ彷徨うようで、実に夢幻的な眺めである。
その他、二羽のペンギンがハートマークを描く求愛のダンス。 過酷を極める真冬の抱卵。 海中のペンギン。 雛の誕生。 と、印象に残る映像が続く。

この映画、本国フランスで大ヒットしたそうである。 ペンギンの生態を淡々と追うのではなしに、父ペン、母ペン、雛ペンに別の声優を充てて、それぞれの想いを語らせている。
文学的な味付けが濃いのはお国柄だろうか。 私としては、登場するペンギンの擬人化に、ちょっと付いて行き難いものがあった。

ところで、日本語版の吹き替えは個人的にダメでした。 父親の声はカッコ好過ぎで、母親の声はカワイ過ぎる。 過酷な自然と力強く立ち向かう、ペンギンの両親と言う感じがしない。

極めて良質な映画だけれど、ゆとりのない時に見てもダメ。 自室でDVDを、仏語+字幕なしにして、ボンヤリ流してみたら、ゆったりと好い時間が過ごせそう。

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Comments

過酷な自然状態で生きるという意味を、美しく、抒情豊かに、子供は可愛らしく描いた本当に良い映画でした。

フランス人ってこういうドキュメンタリーを作らせると抜群にセンス良いんだよね。
ホント、これだけは感心しますよ。

どんな文化的背景が、こういうセンスを生むのだろうか?
ちょっと教えてほしいよね。

Posted by: 晴薫 | August 20, 2007 at 12:45 AM

>晴薫さん

ご欄になってましたか。(^ァ^)

>フランス人ってこういうドキュメンタリーを作らせると抜群に
>センス良いんだよね。


どアップで延々と撮り続けた、求愛のダンスの場面が印象的でした。
これがNHKの野生動物番組とかだったら、「はい、これが求愛のダンスです」って感じで、さっさと次に行っちゃうところですね。
映画の方は、このシーンをじっくり鑑賞しないでどうするって感じで(笑)、カメラがアートしてました。
日本では、こと動物を対象にして、ここまで耽美的に造れないでしょうね。(^^;

ナレーションも、オリジナルのフランス語版は淡々とした語り口が映像を引き立てていて、「こうでなければ!」と思わせられました。

Posted by: もとよし | August 20, 2007 at 12:39 PM

こんばんは!
 私は観ていませんが、面白そうですね。
こういう映画私は好きです。機会があれば見てみたいです~
自然界に生きる動物を撮るのって凄いと思います。
長い長い時間をかけて映像にするんですよね。

自然界に生きる動物も人も、大変だ(笑

Posted by: みい | August 20, 2007 at 08:50 PM

この映画の撮影はホントに大変だったと思います。
なにしろ相手が野生動物だし、舞台が南極だし。(^^; 不自由なコトだらけだったでしょうね。

父ペンギンたちが猛吹雪に耐えて抱卵するシーンや、母ペンギンたちが海中を泳ぎながら魚を獲るシーンなど、一体どうやって撮影したんだろうって思います。

ところでこの映画、人間の姿は一切出て来ません。 主演、皇帝ペンギン。 脇役(悪役)にアザラシ、カモメ。(笑)
こういう映画造りの上でのストイックさが、作品のレベルを高めているのかと思います。

Posted by: もとよし | August 21, 2007 at 07:11 PM

もとよしさん、こんばんは。
大変ご無沙汰致しております♪
毎日暑い日が続いておりますが如何お過ごしでしょうか。

ううぅ。ペンギン。ツボです(笑)。
そして数学のお話、マトリックス、風林火山、トトに!
一体どれからコメントを書かせて良いものやら・・・と
少々戸惑っております。
だって、どの記事に対しましてもコメントさせて頂きたいので♪


・・あの寒さの中、じっと耐えて卵を守り続ける姿。
危険を冒して餌をとる姿。本当に印象的ですね。
私、それまでペンギンに対しまして「可愛い」というイメージしか持っていなかったものですから、ペンギンの子育てする姿、生き抜く姿に触れ とても感動致しました。

しかし、愛するペンちゃん。
彼らの感情を読みとろうとしましてね、水族館では彼らの表情を凝視するのですけれど駄目です(笑)。ちっとも読みとれません。


追・明日、マトリックスを借りて参ります!(*^_^*)


Posted by: ひよきち | August 22, 2007 at 10:01 PM

>ひよきちさん

どもども。 いろいろ読んで頂いたようで、ありがとうございます。(^ァ^)

ペンギンについちゃ、私もカワイイ、キャラクター商品的な(^^;イメージばかり持っていて、猛吹雪の中でじっと立ち尽くすお父さんペンギンらの姿は結構衝撃的でした。

ペンギンは直立して歩くし、それにあのお腹だしで、大勢集まると、なんだかぶあついコートを着込んだヒトのように見えますね。
まん丸いお腹をソリにして氷の上をスィーっと移動するのも可笑しいです。

Posted by: もとよし | August 23, 2007 at 12:55 PM

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