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August 23, 2007

気まずい二人

 
 
 気まずい二人
 
   三谷幸喜
 
     1997年
 
 
人気絶頂の脚本家による対談集である。 毎回、三谷さんのご指名で各界から迎えるゲストは皆女性。 ならば三谷さん、さぞゴキゲンではないかと思いきや、コチコチに緊張しまくりなのである。

普通、対談と言えば、ホスト側が会話をリードしてゆくものでしょう。 ところが三谷さんは筋金入りの超口下手と来ている。 なので、差し向かいに座った二人の間で、気まずい沈黙が出来たり、ゲストと間合いを取り合ったり、なんていうことが起きてしまう。 この本の変わっているのは、そんな、通常の対談ならばカットされるであろう部分までを収録しちゃってる点。 と言うか、本筋の会話の内容よりも、気まずい時間の場面が可笑しいんだよね。

会話がなにかの切っ掛けでつまづいてしまって、もうこうなると、なにを言ってもシラケたり、ハズしたり、皮肉にしか聴こえなかったり。 そんな、負のスパイラルに陥るようなことって、ありますよね。 この対談では、毎回お約束のようにそれが起きてしまって、これはもう、三谷さんの話し手としての資質によるところ、としか言い様が無い。
対談の中で、どんな話題を振って好いのか判らなくなり、絶句してしまう三谷さん。 焦る! で、ここは何か気の利いたことを話さなきゃ、なんて気負うもんから、余計に焦りまくってしまう。 そして、会話が途切れた時のためにと、あらかじめ用意して来た話題のトホホさときたら、もう。

活字にするにあたって、幾らかの脚色はあったのかもしれないけれど、ここでは、そんな、悪夢のようなバツの悪さ。 奈落へ急降下してゆくホストの姿を活写して笑いを誘う。 ここら辺り、三谷脚本のギャグ感覚に通じるものがあると思う。
 
 
対談のゲストは、以下の皆さん

  八木亜希子 (フジテレビ・アナウンサー)
  十朱幸代 (女優)
  西田ひかる (歌手)
  日笠雅水 (手相観)
  桃井かおり (女優)
  鈴木蘭々 (タレント、歌手)
  林家パー子 (タレント)
  緒川たまき (女優)
  平野レミ (シャンソン歌手)
  森口博子 (歌手)
  加藤紀子 (歌手)
  安達祐美 (女優)
  石田ゆり子 (女優)
 
 
いやはや、ゲストのみなさん、お疲れさまでした。 と言うか、よくぞ三谷さんを見捨てず、お終いまでおつきあい下さいました。
実は、ゲストはこの他にまだ二人いたのだそうで。 でも、よんどころのない事情(!)により、本には収録出来ないのだそうな。 なにがあったのかは知らないけれど、この対談スタイルだと、まあ、ムリもないかな、と思う。
読む側は可笑しいばかりだけれど、喋る側にとってはスリル満点(?)の対談だったかもしれない。

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Comments

もとよしさん、お久しぶりです。
この本、私も持ってます。三谷さんがこんなに口下手なんて、とちょっとびっくりした本でした。対談したゲストの方々もさぞ疲れたことでしょう。収録できなかったお二人にはご同情申し上げます(笑)
まあ、傍で読む分には面白いんですが、これが自分の身だと思うとちょっと、三谷さん側にもゲスト側にもなりたくないなあ・・・というのが本音ですね。

Posted by: らいちょう | August 24, 2007 at 05:23 PM

>らいちょうさん

三谷さんがホストぶりがああですから、余程懐の深い人でないと、ゲストは務まらないと言うか。(笑) とまれ、対談としては、ちょっとスリリング過ぎますよね。
私も口下手では人落に落ちないので、三谷さんの緊張ぶりは人事に感じられないで、一緒になって胃の痛い想いをしました。(^^ゞ
多彩なゲスト陣の中では八木亜希子さんが、アナウンサーと言う職業柄か、ホストの気苦労を察して、この特殊(!)な対談スタイルへの対応が上手い辺り、流石と思いました。

Posted by: もとよし | August 26, 2007 at 11:11 AM


もとよしさん、こんにちは。

この本、とてもとても気になりまして(笑)
昨夜、楽天にてとうとう注文致しました!
数日しましたら届きますので楽しみにしているところです。

三谷さんの脚本好きなんですよね。。。
あれほどの脚本をお書きになるのですからさぞや対談も・・・と思いきや、実はそうではないのですね♪
私も口下手ですのでなんだか親近感です。

読み終えましたら またご報告に伺いますね(*^_^*)

Posted by: ひよきち | September 09, 2007 at 12:20 PM

>ひよきちさん

>昨夜、楽天にてとうとう注文致しました!

お、楽しみですね。

まったく意外なことに、脚本家と言うのは、俳優さんらとの交遊が殆どないそうで。 連続ドラマなんかだと、いつも次回の締め切りに追われているので、撮影現場を見ることもないらしいです。 なので、偶の機会に田村正和さんに会うと、ドキドキしちゃったりするとか。(笑)

本文には書き漏らしましたけれど、この本では三谷さん自筆の似顔絵が、和田誠さんばりの巧みさで、なかなかのモンです。

ではでは、お楽しみ下さい。(^ァ^)

Posted by: もとよし | September 09, 2007 at 03:08 PM

もとよしさん、こんばんは。
うふふ♪読了致しました!最高でした(笑)。

>会話が途切れた時のためにと、あらかじめ用意して来た話題の
 トホホさときたら、もう。

もとよしさんのこのお言葉がとても気になりまして
三谷さんの「用意していた話題」って一体どんなものなんだろう・・・と
気になっていたのです。
で、実際に本を読みまして その「用意していた話題」を知りましたとき
思わず呆然としてしまいました(笑)。

いや、「そうだったのか・・・。知らなんだ・・」という驚きの混じった呆然ではなく
何で、こんな時にいきなりその話題を出すのだ・・?という
疑問の混じった呆然でありまして^^;
ますます三谷さんのこと、好きになりました。

この本を読みながら何度大笑いしたことでしょう!
笑いのツボにすっぽりとはまってしまいました!
で、例えば十朱さんとのやりとりや西田さんとのやりとりを思い出しましてね(そう、お茶のお稽古の時にね)私、奥歯をかみしめながら 肩を震わせながらお点前をしておりまする(笑)。

そう、三谷さんの絵、本当にお上手ですね!
ゲストの方々の特徴を上手く捉えてらして、さすがだな・・と思いました。

もとよしさん、この本を教えてくださいまして
本当に有難うございました(*^_^*)

Posted by: ひよきち | September 30, 2007 at 12:03 AM

>ひよきちさん

「気まずい二人」楽しまれたようで、なによりです。(^ァ^)
それにしても、お茶のお稽古の最中に思い出しちゃうって。(笑)
お茶席の静けさや適度の緊張感と、笑い・・・・この対比が三谷ワールドと相性ピッタリだったんしょうか。
ともあれ、笑っちゃダメと意識するのとの相乗効果で、さらに笑いたく・・・・って、まさに三谷ドラマ的展開ですね。(笑)

Posted by: もとよし | September 30, 2007 at 01:57 PM

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