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May 27, 2007

スーパーマン

 
 スーパーマン (ディレクターズカット版)
 Superman The Movie Expanded Edition
 
  監督:リチャード・ドナー
  出演:クリストファー・リーブ
     マーゴット・キダー
     ジーン・ハックマン
  音楽:ジョン・ウィリアムズ
 
    1978年 米国
 
 
もう、30年近くも前に大ヒットしたSF超大作。 私は封切り時には見逃しているけれど、その昔、どこかの場末の名画座で観たことがある。

この映画のウリは、なんといってもスーパーマンが颯爽と空を飛ぶシーンだった。 すなわち、それまでのSF特撮ものでの飛翔シーンが、概ねスクリーン上を平面的に移動させるだけであったのに対して、この映画では3次元的に飛んでみせたのであって、そのリアルさは画期的だった。
ただ、(ワイアーアクションを使ったシーンを除いて)主としてフィルム合成画像によっていたので、現在のCGに慣れてしまった眼には、その画像がかなりショボく映ってしまうのは、まあ致し方のないところ。

と言う訳でこの映画、最早SFXの面では興味を持つことが難しくなっている。
その替わりに、それぞれの役者のキャラクター創りや、役処を心得た演技が素晴らしい。 SF特撮ものありながら、特撮以外の部分をより高く評価出来ると言うのは、つまり、この映画が元々持っているクオリティの高さを物語っていると思う。

スーパーマン役のクリストファー・リーブ。 これは当人の本意ではなかったかもしれないけれど、未だにスーパーマンと言えばこの人の面影を思い浮かべてしまうほどの、正に当たり役でありますなあ。 そのリーブが二役で演じるクラーク・ケント(繊細な大男!)で見せるトホホぶりの可笑しさ。
ロイス・レイン役のマーゴット・キダー。 勝気でやり手のキャリア・ウーマンでありながら、同時にデリケートな面も併せ持つ役柄を好演。
その他、新聞社の同僚たちや、ジーン・ハックマン演じる天才的犯罪者とそのドジな手下、情の深い愛人。 地球での育ての両親(質朴なアメリカの農夫)は、マーロン・ブランドらが演じるクリプトン星の両親よりもずっと好いと思う。

作品前半のハイライトとも言うべき、スーパーマンとロイス・レインの夜空のデートは、けだし名場面中の名場面でしょう。 ここだけは、昔名画座で初めて見た折のイメージが、今もくっきりと残っているし。 ジョン・ウィリアムズの甘く切ない音楽に、マーゴット・キダーの淡々とした語りがかぶるあたりが、また好いんだ。
確かにSFXは、今のレベルからすればショボイんだけれど、それを超えて訴えかけて来るものがあるんだなあ。 特撮に古さを感じさせられるとはいえ、夜空を夢のように舞う、二人の演技だけで十二分に魅せます。 なによりマーゴット・キダーの表情(くるくると変化してみせる)の可愛らしさ!

この映画、SFX的にどんなに古くなっても、永遠に愛されることでしょう。

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May 16, 2007

九十九ラーメン

行列というやつが、とにかくニガ手である。
たとえその先に、なにか好いモノが待っているとしても、ずらり並んだ行列につかねば得られない、という条件があったなら、大概はノーサンキュー。 縁がなかったのね、と言うことにしてまう。

行列の出来る・・・・と来て連想するのは、やはりラーメン屋だけれど。
それが、我が家からそう遠くない場所にもある。 行列のお店は「九十九とんこつラーメン津田沼店」。(酸辣湯麺 の記事でご紹介のとは別の店)
私は好く、その店のある通りを歩く機会があるのだけれど、とにかく、時間に関わらずいつも、必ずといって過言ではないくらい、店の前に行列が出来ている。 きっと、大人気店なんでしょうね。 ラーメン系のサイトでも、紹介されているのを度々目にするし。

さて、いくら行列嫌いの私とはいえ、こうしょっちゅう見せ付けられると、好奇心が湧いて来るではないか。 一体全体、どんな味なんだろうって。
とは言え、行列の尻尾につくのは、やはりゴメンこうむりたいところ。 が、そこは地元民の強みで、何度も前を歩くうち、偶さか行列の途切れる瞬間にぶちあたることがあるのだ。
すわ、好機到来! とばかり、早速入ってみましたね。

ここは迷わず、基本の「九十九ラーメン」を注文。 ちょっとワクワクしながら食べ始める。 白濁してミルキーな豚骨スープは意外にスッキリとして、ほのかに甘みもある、これが行列を呼ぶ味というものか。
但し、このラーメンの風味。 いささか焦点がぼやけた感じが付きまとって、自分的に好く判らなかったんですね。 なぜだか、体の中の何処かが、このスープを拒んでいるような気がする。 結局のところこの味に、一体どうして絶え間のない行列が出来るのか、とうとう理解出来なかったのである。 豚骨とは、相性が悪いのかな。 自分には、やはり東京風のシンプルな醤油ラーメンが一番合っているのかもしれない。

でも、流石は行列が絶えないだけあって、活気に満ちた店内は、なかなかに雰囲気がヨロシイ。 店の前を通り掛って、行列の途切れている折など、またぞろ入ってみて、その味に再度チャレンジ、と言うことになるかもしれない。

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May 05, 2007

御家人斬九郎

 
 
  御家人斬九郎
 
    柴田錬三郎著
 
       新潮文庫
 
 
「御家人斬九郎」。 好いねえ、この題。 ネーミング一発で気に入ってしまった。
松平残九郎、人呼んで御家人斬九郎。 御家人と言う、御目見え以下の下級幕臣の故、その俸禄は極端に乏しく、副業に罪人の介錯をして糊口をしのぐと言うダーティー・ヒーローである。

この斬九郎、粋な呼び名に相応しく、色男で滅法強いし、一見向こう見ずなようで、その実アタマも切れる。 同居する老母の麻佐女は小鼓と薙刀の達人にして大食。 その、およそ金銭感覚というものを欠いた食通ぶりが斬九郎の悩みのタネ。 逆に言えば、母親の他にはおよそ怖いもの、悩みなどに縁のないのが、斬九郎と言う男である。

私はこのタイプの時代ものは、実はそれほど好みとは言えない。 この小説にしても、斬九郎の、ある種スーパーマンぶりに共感出来なくて、なかなかその世界に入ってゆけなかった。 愉しむことの下手な、不器用な読者なのである。 それでも読み進める内に、味わいどころが判って来た。 こうなると俄然面白くなって来る。

一話ずつ読みきりの短編集なのだけれど、中でも冒頭に固められた十編のド短編(文庫版で、各々が10頁前後程)が特に好い。 スカッと読める。 その代わりに、読んだ後なんにもアタマに残っていないけれど。
ストーリーに凝られても、話しが妙にややこしくなるだけで、たいして興味が湧かない。 キャラクターの設定や会話、雰囲気で読ませるタイプの短編集なのではないだろうか。 だから、斬九郎は、話しを目一杯切り詰めた掌編で最も冴える、と思うのである。

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