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February 18, 2007

世界の中心で、愛をさけぶ

  世界の中心で、愛をさけぶ

    監督:行定勲
    出演:大沢たかお :朔太郎(現在)
        柴咲コウ   :律子(現在)
        森山未來  :朔太郎(高校時代)
        長澤まさみ :亜紀(高校時代)
        山崎努    :写真館の主

           2004年 日本
 
 
いわゆる、セカチューの映画。
純愛ものとしてヒットした作品だけれど、観てみて気づかされたのは、男性側の視点で描かれているということ。 それでいて、この映画に多く女性が共感したというのが興味深かった。

主人公の朔太郎。 その高校時代は、これといって取り得のない、ごく普通の男の子であった。
不器用で、ひたむき。 これといって摂り得もなければ、目立つところもない。 時々見せる劣等感まるだしのヒクツな表情が好い。 映画を観る男性の多くが、朔太郎に高校時代の自分を重ねてみるのではないかな。
一方、ヒロインの亜紀はカワイくて、勉強が出来て、学校でも注目される、と朔太郎から見てまぶしいばかりの存在。 これってもう、男の子の視点でしょう?
主人公らをアイドル映画風な、美男美女高校生カップルとはしなかったことで、この映画は幅広い層の観衆に訴えかける佳作になり得ている。

高校時代の夏。 ひなびた海辺の街。 そこだけ時間が止まってしまったような古風な写真館と、その主(山崎努)など、老練なスタッフが、観客を心置きなく感傷に浸らせるためのお膳立てとして、万全の態勢を敷きましたって感じである。
なにもかも、あんまりなベタさなんで、こっちだって、騙されるもんかって気になろうってもんだけれど、でも、そんな青春の日々への感傷に、素直に心を委ねてしまおうという気になれないならば、この映画は観る価値がない。

切なくも美しい、ハイティーン時代の夏の想い出。 それは、いつなりと逃げ込むことを許してくれる、感傷のオアシスみたいなものでしょう。
残された者たちは、いつか大人になり、過去を背負いつつ、現実に立ち向かって、生きてゆかねばならない。 
今では故郷と疎遠になってしまっていて、想い起こすこともなくなっている自分など、心に故郷持つ人はウラヤマシイなあ、などと想うばかりなのである。

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Comments

こんばんは。
 この映画みました。香川ロケだったんですよね。
当時はカップルが、ロケ地を訪れて写真撮ったりにぎわっていたようです。私は行きませんでしたが(笑
美しい風景、懐かしいような風景の中で・・・私も素直に感動してしまいました。
そうなんだ、男性側の視点で描かれていたんですね・・・

Posted by: みい | February 19, 2007 at 08:50 PM

>みいさん

みいさんもご覧になったんですね。(^_^)
あれは、香川県でしたか。 とっても好いところですね。 あんな海辺の街を、のんびりと旅してみたいモンです。

女の子がひたすらまぶしくて、自分はと言えば、なんの取り柄もないのに悶々として・・・・私の高校時代はそんなでしたけど。(^^ゞ 朔太郎と同じですね。 亜紀みたいな子にモテなかったところだけが違います。(笑)

Posted by: もとよし | February 19, 2007 at 10:49 PM

こんちです。もとよしさんは映画もよくごらんになってるんですね。『世界の中で・・・』ひえええ。この題名が実は大嫌いなんス(^^;)。でも、それはあえてヨコに置いとくと、純愛ものに浸るのもたまにはいいものですよね。ところで先日、米原万里の読書感想にコメントを書かせてもらいにあがったんですが、その投稿が、な、ないいいい。え~ん。確かに書いたのに、何か操作を誤ったのかしら(悲)。にゃろめっ。今度こそっ。

Posted by: 屁爆弾 | February 21, 2007 at 09:52 PM

>屁爆弾さん

そういえば、これとほとんど同じ題名でSF小説がありますね。(笑) セカチューがヒットした頃は、こんなにソックリの題名を付けてダイジーブなんだろうかって、人事ながら心配になりました。

「旅行者の朝食」に頂いたコメント、消えちゃったんでしょうか? 申し訳ありません。 ココログは、このところ安定稼動していると思っていたんですけれど。(汗) やっぱり油断なりませんね。(溜息)

Posted by: もとよし | February 21, 2007 at 11:10 PM

こんちです。同じエントリへの重ねコメントでごめんちゃい。よかった、今度はちゃんとコメントが載ってる。うれぴい(^^;)。たぶん前のは私が何かヘンないじりかたをしちゃったんですね。お騒がせしました。そうだ、もとよしさん!内藤陳の『読まずに死ねるか!』をさっそく読んだよ~!『世界の中心で・・・』の題名とウリ二つのタイトルのSF小説も内藤さんの紹介にありましたね。SFのほうが出版年度は古いけど、日本の作者はこの存在を知ってたのかしら。モジリにしてはあまりそれっぽくないよね。でも知らなかったんなら「かすめ盗り」でもないんだろうし。微妙(笑)。内藤さんの本のことは、いずれ書評本の特集話を書くときにでもいっしょに読後感を加えてみようかと思ってます。コメント欄でのなにげない雑談で出る本ってのも結構楽しいものですね。

Posted by: 屁爆弾 | February 26, 2007 at 03:18 PM

>屁爆弾さん

「読ま死ね」さっそくお読みになりましたか。(^ァ^)
私はこのシリーズの影響で、しばらくの間、冒険小説にハマリましたっけ。 そのお陰でか、未だセカチューの世界からは遠い位置に立ってます。(笑)
それにしても、「世界の中心で愛を叫んだけもの」が紹介されていたとは。 なんたる奇遇。(笑)

Posted by: もとよし | February 26, 2007 at 08:47 PM

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