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October 08, 2006

この夏一番聴いたCD

レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア
  第1組曲
    小舞踊曲、
    ガリアルダ、
    ヴィッラネッラ、
    酔った歩みと仮面舞踏会
 
  第2組曲
    優雅なラウラ、
    田園舞曲、
    パリの鐘、
    ベルガマスカ
 
  第3組曲
    イタリアーナ、
    宮廷のアリア、
    シチリアーナ、
    パッサカリア
 
  演奏: ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
  指揮: ヘスス・ロペス=コボス
  録音:1978年
 
 
ファリャ:バレエ《三角帽子》(抜粋)
    序奏-午後、粉屋の女房の踊り、
    ぶどう、
    近所の人たちの踊り、
    粉屋の踊り、
    終幕の踊り
 
  演奏: ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団
  指揮: ヘスス・ロペス=コボス
  録音:1979年
 
 
栄光のロンドン・サウンド・シリーズ  POCL-4499
 
 
 
日毎に秋めいてゆく今日この頃。 過ぎ去りし夏を惜しんで、ではないけれど、この夏我が家でもっとも登板回数の多かった音盤のことなど書いてみる。
 
それは、ヘスス・ロペス=コボスが1970年代後半にレスピーギとファリャの管弦楽曲を振ったCD。
栄光のロンドン・サウンドシリーズと題して、アナログ時代に名演名録音で鳴らしたデッカのLPを取り揃えてCD化、再発売すると言う企画から生まれた一枚である。
 
これを買い求めたのは、もう何年も前の筈なのだけれど、とくに印象に残るものではなかった。 それが、この夏の始めの頃にふとまた取り出して聴いてみて、すっかりハマってしまったのだ。 とにかく、今年の夏はこのCDばかり聴いていた気がする。
 
ここではレスピーギとファリャと言う、自分にとって普段は殆ど聴くことのない作曲家の作品を、ヘスス・ロペス=コボスと言う、これまたあまり馴染みのない指揮者が振っている。
ラテンの風合い・・・・なんて言うと、あまりにベタな表現かもしれないけれど、それでも、からりと明るく、お洒落で、少しエキゾチックな風味も加わった、これら管弦楽の小品群は、なにしろ夏の夜に聴くにはお誂え向きだった。
それは旧い映画。 色合いなども幾分風化して、テンポもちょっとノンビリ目に感じさせられる、けれど、スペクタクルからアクション、ロマンス、コメディまでありの、気の利いた娯楽作品を観るようで、繰り返し何度聴いても飽きることがなかった。 仕事から帰って、汗でも拭きながら、とにもかくにもリラックスしたい折など、これほど有難いCDもなかったのである。
 
なんたってオケのノリが好いや。
全員が汗を撒き散らしながらの力演っていうんではなく、また、凄みをぎらつかせた最強軍団のパフォーマンスって感じでもない。 肩からすとんと力が抜けて、それでいてノリノリの、滅法格好の好い演奏。 つまりは、粋なのである。
楽天的で、ちょい官能的・・・・・いっそ、快楽主義とでも言えばいいのか。 だからと言って、演奏にユルさはこれっぽっちもない。 作品と指揮者とオケとが理想的に結びついた瞬間に、この極上の演奏が生まれた。 アナログ録音完成期のデッカの録音も素晴らしくて、栄光のロンドン・サウンドの看板に恥じない名盤と想う。
 
ところで、昨夜またこのCDを聴いてみたら、案の定イマイチで、夏の暑い夜に聴い折の陶酔感は得られなかった。 自分の中でのラテンへの憧れは、どうやら、季節や体調に影響されてのことであったと想われる。
このロペス=コボス盤、自分にとっては夏の間だけ強烈な魅力を感じさせるものらしく、だから、来年の夏が来るまで仕舞っておくことにする。 

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Comments

レスピーギもイイよね。
でも最近聴いてなかった。

聴いてみようかな。
ただこの記事を読んでしまったから、
>ヘスス・ロペス=コボス
のが聴きたくなってしまいました。
でもそれなら来夏なのかな。
日も短く、気温も随分涼しくなってしまったもんね。

それにしても、もとよしさん、人にオススメするのが上手いですね(笑

Posted by: 晴薫 | October 08, 2006 at 10:40 PM

>晴薫さん

>日も短く、気温も随分涼しくなってしまったもんね。

あちゃ、もっと早くご紹介すれば好かったですね。(^^ゞ
このCD、なんだか自分のなかでは完全に季節モノと言う位置付けになっちゃってます。(笑)

因みに、レスピーギのシチリアーナはNHK-FMの番組がテーマ曲に使っていましたね。 この曲ばかりは、季節感と関わりなしに、聴いてとっても懐かしい気分にさせられます。

Posted by: もとよし | October 09, 2006 at 12:57 AM

確かに、季節によってばちっと嵌まる曲ってありますよね。
夏の暑い時に暑苦しい曲を聴く、というのもすっとしたりして(^^ゞ

思うに、もとよしさんて割りに熱い演奏より小粋な感じの演奏がお好きのようですね。

Posted by: バルカローレ | October 09, 2006 at 10:06 AM

>バルカローレさん

>夏の暑い時に暑苦しい曲を聴く、というのもすっとしたり
>して(^^ゞ

真夏に激辛カレー喰うようなモンでしょうか?^_^;
それ、悪くないス。 来年の夏は、ブラームスやマーラーなぞを試してみようと想います。


>思うに、もとよしさんて割りに熱い演奏より小粋な感じの
>演奏がお好きのようですね。

ええっ、そ、それは意外です! なにせ野暮のカタマリのような人間だけに。 まあ、自分にナイものに憧れるってことなのかもしれませんね。(笑)

Posted by: もとよし | October 09, 2006 at 05:43 PM

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