第27回 津田沼混声合唱団演奏会
第27回 津田沼混声合唱団演奏会
2005年10月22日(日) 14:00 習志野文化ホール
津田沼混声合唱団
東京ブルーア・アルボ
習志野モーツァルトアンサンブル
指揮:青木八郎、溝口秀実
平井康三郎:三つの交声曲
1.山頂雷雨
2.不盡山(ふじさん)を見て
3.大いなる哉
高田三郎:女声合唱組曲 水のいのち
モーツァルト
:アヴェ・ヴェルム・コルプス KV618
:サンクタ・マリア・マテルディ KV273
:レジナ・チェリ KV276
:ミサ・ブレビス KV275
この合唱団の演奏を聴くのは、昨年10月の演奏会に続いて、二度目になる。 丁度一年ぶりの再会。
▽▲▽▲▽▲
平井康三郎:三つの交声曲
演奏会最初のステージからして、溌剌としてた発声と、活きの良い表現で聴かせる。
私は、ここで歌われた平井康三郎の曲をどれも好く知らなくて、果たしてどれ程「聴く」ことが出来たのか、まるで自信がないのだけれど、是非また、聴いてみたいと思わせる演奏だった。
▽▲▽▲▽▲
高田三郎:女声合唱組曲 水のいのち
ここだけ、東京ブルーア・アルボの演奏。 指揮はこの合唱団や津田沼混声合唱団にとっての大御所とも言える存在の青木八郎さん。
「水のいのち」と言えば、合唱経験を持つ人で知らない人はいない。 数多ある本邦合唱曲の中にあって、名作中の名作と言える曲である。 この日演奏された女声合唱版のみならず、混声合唱版、男声合唱版と揃っていて、1964年の初演以来、ずっと愛唱され続けていることからも、人気の程、評価の高さが判ろうと言うもの。
そんな訳で、この曲を耳にする機会には恵まれているのだけれど、この日の演奏は、ステージに上がった合唱団員一人ひとりの切ない呟きや詠嘆を掻き集めて、そのまま合唱にしたような、とても個性的なものであった。 こんな「水のいのち」は、きっと、他では聴くことが出来ないでしょう。
大概の合唱団の演奏が、この「水のいのち」に、精緻なハーモニーと、クリアーな響きでもって、流れ往く水の清澄さを訴えるのに対して、ここでの「水のいのち」は、そういった合唱界の常識とはまるで正反対をいっていると想う。 聴いているこちらも、大様な気分になってゆくようで、音程に多少「ありゃりゃ?」と気付く瞬間があったとしても、さして気にもならない。 言わば、清水ばかりでなく、塵芥までも描き切ってやまないのである。
この曲に相応しい、懐の深さを感じる演奏だった。
▽▲▽▲▽▲
モーツァルトの宗教曲集
お終いのステージは、モーツァルト・イヤー(生誕250年)に因んで、比較的小規模な宗教曲を4つ。
レクイエムなどの有名どこでなしに、こういった、比較的マイナーな作品に光を当てる姿勢が嬉しい。 どの曲も、朗々と歌いきる。
オケが上手いですね。 弦がとっても綺麗で、指揮も手馴れている。 すっきりと全曲を演奏し終わって、アンコールはなし。 こういう、あさりとした締め方も好い。
いや、この合唱とオケなら、なにかもう一曲くらいと、期待しない訳ではなかったけれどね。
Recent Comments