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February 12, 2006

モーガン警部と謎の男

映画「モーガン警部と謎の男」 (1961年、日)
監督 : 関川秀雄
出演 : ジョン・ブロンフィールド、鶴田浩二、久保菜穂子、中山昭二

久々に時間が取れたので、川崎市市民ミュージアムで標題の映画を観た。 現在、同館では関川秀雄監督作品特集をやっていて、この映画もその一本なのである。

かつてアメリカに「モーガン警部」と言うテレビドラマがあって、我が国でも1958年から1960年にかけて放映されて人気を博していた。(再放送とかあったのかな? 私自身は観た記憶がないけれど)
これはその「モーガン警部」を日本に招いて撮った純然たる日本映画である。 ジョン・ブロンフィールド扮するモーガン警部の吹き替えは、低声の魅力で聴かす若山弦蔵。 この当時、お歳は幾つくらいだったのだろう。 それにしても渋い声音。

テレビドラマから発展した映画と言うのは今でもよくありますね。 「鬼平犯科帳」とか、「必殺!」とか、テレビドラマの設定はそのままに、スペシャル版と言う位置付けで。 でも、この「モーガン警部~」はもっと凄いと思う。 この時代、向こうのスターを役柄込みで連れて来て、オリジナルストーリーを造っちゃったんだから。

それにしてもこの映画、冒頭のアリゾナの荒野でのシーンはどうみても日本でのロケだったりして、今観るとアヤシイところだらけでタノシイのである!
鶴田浩二(若い!)扮する特攻隊上がりの流れ者風早が、中山昭二扮するかつての戦友中川刑事と再会するシーンの背景は、これはどう見ても皇居のお壕・・・・なんだけれどあの辺りって、この当時はおっそろしく閑静だったんだねえ! 東京タワーなんて、ものすごく高く感じるよ。 (都内に高層ビルがひとつもないのだ)
その風早が中川刑事の家に招かれて、お膳を挟んで中川夫妻と旧交を温め合うシーンも好かった。 60年当時の食卓風景だ。 え? もっとマジメに観ろって? ま、こういう発見のあるのも古い邦画の楽しみ方の一つだってコトで何卒ご海容願いまっす。

さて、ジョン・ブロンフィールド。 米国のスターとして、日本の役者陣の中でぽっかり浮いちゃうんじゃないかと懸念されたけれど、いやいや、そんなことは全然なかった。 そこは流石にプロの役者なのである。
鶴田浩二や久保菜穂子との共演もごく自然にこなし、中山昭二をはじめとする警視庁の捜査メンバーとの呼吸もバッチリだ。 風早との殴り合いシーンはボロボロになるまでやるし、ラストの犯人との銃撃戦では敵弾を避けるのに地面に這いつくばって進む。 その真摯な演技に、ストーリーの持つユルさが相まって、ホントに好い人なんだなあ、って感想を抱きましたです。 ハイ。
1950年代後半から1960年頃に掛けて、こういう人がスターだった時代があるんだね。
堂々たるB級作品でした。

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Comments

若山弦蔵。すばらしいお声ですよね。もとよしさんが観られた映画は存じ上げないんですが、時代劇ドラマなど地方のロケ地でも電信柱などがカメラに入らないように苦労するという裏話を本で読んだことがありました。今や明治大正ぐらいの時代背景をドラマにしたくても東京近辺での撮影では苦労しそうですね。小林信彦がコラムで書いてたんだけど、氏は昭和30年代の食事メニューをとるように心掛けてるんだって。朝は目刺、生卵、焼きのり、味噌汁。温泉宿の朝ごはんみたいでおいしそうだけど現実には朝から魚は焼けないな。出勤前に髪や服に匂いがつきそうで。そのくせ喫煙するから世話ないやね(^^;)。

Posted by: 屁爆弾 | February 12, 2006 at 06:30 PM

>屁爆弾さん
下世話なワタシは若山弦蔵さんの生年を検索してしまいました。orz やっぱ若け~! 流石はマダムキラー、こんな頃からシブかったんだ。(笑)
時代劇の野外シーンで良く見りゃ電線が、とか言うハナシは私も何処かで聴いた事がある気が・・・ こういうのも、今時ならば、デジタル処理で消しちゃったりするんでしょうかね。(^^;
小林信彦の30年代食は、なかなかスゴイ拘りですね。 仰るとおり仕度が大変そうだし、食費だって却って高く付くんじゃないでしょうか。 牛肉なんか、月に一回かな。 あ、それよりも鯨肉を手に入れるのが大変かも。(笑)

Posted by: もとよし | February 12, 2006 at 11:33 PM

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