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September 19, 2005

豚と軍艦

 
 映画「豚と軍艦」
  監督: 今村昌平
  出演: 長門裕之、吉村実子、丹波哲郎

    1961年、日本


標題の映画を観た。 セプテンバー11に続いての、今村昌平監督作品である。
舞台は昭和30年代の横須賀。 米軍基地に寄生するヤクザ組織のチンピラ欣太(長門裕之)が主人公。
夏だって言うのに、一張羅のスカジャンを手放さない。 兎に角滅法活きが好い。 これっぽっちも品が無くて、虚勢を張りたがるくせに傷付きやすく、その上、不器用で一途な大バカ野郎である。 要するにカワイイ奴なんである。
白状してしまうと、私、この時代の長門裕之に付いては何も知らなかったのである。 子供の頃から、テレビのホームドラマやバラエティものの人としだけ見知っていたので。
昔から、イワユルフツーの伯父さんとばかり想っていたのが、若い頃にはずいぶん無茶をやってたのね、ってな感じ。 すっかり認識を新たにしてしまったよ。 あのオジサンに、こんなにも輝いた青春があったのかよ! なんて言ったら失礼だろうか?

欣太の相手役、「はるっぺ」こと春子(吉村実子)。 若い。 その若さ故の、体当たりの演技・・・・・ってのは使い古された表現だろうけれど、この人に関しては兎に角他に言いようが無くて、その若さに終始当てられるっぱなしであった。

欣太の兄貴分、人斬り鉄次(丹波哲郎)。 この役者に付いても、壮年期以降のドラマや、やはりバラエティものでの怪演しか知らないのだけれど、どこか人を食った演技は、やはりこの頃から、単なる二枚目に納まる人ではなかったのだと想わせられる。

昭和30年代の横須賀の景観がまた好いのだ。 夏の横須賀の街と海と山、湾内にぷかぷか浮いたアメリカの軍艦、戦勝国らしく脳天気な米兵たち、そこにハゲタカのように群がる男女の群れ。
それからドブ板の様子。 その造り込み振りが素晴らしい。 ドブ板を闊歩する男女、米兵の一人一人に至るまでが活き活きと呼吸して、作品世界を造っているのだ。
映画のラストでは、そのドブ板を、無数の豚の群れが埋め尽くしてしまう。 全編汗臭くて泥臭い、夏の映画だ。 もの凄い映画を観た。
 

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Comments

1961年の作品ですか。このくらい古いと画像がシャリショリしてカスミがかかってたりしません?黒澤映画の『天国と地獄』を昨年ビデオで見たんですが、かなり見にくくなっていて苦労しました。でも古い映画って貴重ですね。
もとよしさんが観られた映画は未見ですが、長門裕之って、二枚目というより実はけっこうワルな顔立ちですよね(笑)。正直言って、小林旭とか石原裕次郎などにも個人的にはあまり魅力を感じないほう。加山雄三もパス。むしろ坂本九とか松本清張とか、ああいう「爆弾顔」のほうに味を感じちゃう(^^;)。と言っても映像ではよく知らないんですが。

Posted by: 屁爆弾 | September 20, 2005 at 12:13 PM

>屁爆弾さん
フィルムの保存が好いのか、結構見易かったですよ。 流石に、鮮明な画像と言う訳ではありませんけれど、好い具合に時代が付いた感じで。(笑) 古い邦画の場合、映像もさることながら、録音の酷いものが結構ありますね。
長門裕之と桑田佳祐が互いにそっくりってのは有名な話しと想いますけれど、取り分け「豚と軍艦」での欣太役は、やはり若い頃の、「サザンの桑田」を彷彿とさせるものがありました。 しかも、舞台が海辺の街だし。

Posted by: もとよし | September 21, 2005 at 07:36 PM

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