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August 21, 2005

寄席芸人伝

「寄席芸人伝」 古谷三敏著 ファミリー企画 

標題の漫画を、仕事帰りにコンビニで買い求めた。 これは、最近流行の、往年の名作コミックの復刊と言う奴である。
この「寄席芸人伝」は、ずっと昔(初出は80年代)、兄が何冊も買い求めていたのを、自分も読ませて貰った事がある。 その兄は、特段落語好きであったと言うことも無くて、ならば、どうしてこのコミックにご執心であったのか、そに理由に付いては未だに知らない。
何しろ、自分もその当時、落語に付いては何も知らなかったしね。 落語と言えば、それこそ、テレビに映るのを偶に目にするくらいであったと想う。 でも、この漫画の方は、なんの予備知識もなしに読んでさえ、とっても面白かったのを未だに覚えている。

その懐かしい漫画を、今回、実に久しぶりに読み返してみた。
舞台は、明治から昭和初期辺りに掛けての落語界。 まだ、都内のそこいら中に寄席のあった時代である。 (作中のカットに度々描かれる、各地の寄席の玄関の図など、今では新宿末広亭でしかお眼に掛かる事が出来ない)
毎回、異なる噺家を主人公に、噺家社会の哀歓や寄席、遊郭の風情を淡々とした筆致で綴って、中には、結構泣かせられる話しもあるのだ。

作中で高座に掛けられる噺も、あの頃は、それこそ何の気なしに読み飛ばしていたけれど、いっぱしの落語ファンを気取っている今になって改めて読んでみると、それぞれがストーリーとしっかりリンクしているのが良く判る。 実に緻密な構成であったのだと、今頃になって知ったのである。 これは、自分にとっては、かなり痛快な発見であった。 まあ、歳を取ると、こう言った事にも出くわすってことだね。

古谷三敏のシンプルな絵がまた良くて、今見ても、少しも古さを感じさせられない。 テレビからは決して得られない、寄席ならではの空気感が伝わって来るのだ。 そこにあるのは、当節の漫画には滅多に見ることの叶わない、大人の顔、男の顔をした噺家たちの姿である。

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Comments

古谷三敏は描線が単調だけにネーム(セリフ)が読みやすいですよね。あいにく私は読んだことがないけれど落語マンガには最適な絵柄かも。偶然ですが、私も復刊版のコミックを書店に注文中です。時代劇マンガなので好きなジャンルです。青林工藝舎のマンガは書店から発注すると届くまでの日数がかかるんですが、とても楽しみです。もとよしさんも落語がお好きなんですね。私は柳家小三治だけは聴きに行きますが、ほかの落語家さんには詳しくないです。
三遊亭志ん生の落語を何度かテープで聴きましたが、どうしても耳に合わない感じ。志ん生の話し方(言葉の速度)が私の耳にはちょっと早すぎて何となく落ちつかないんですね。

Posted by: hebakudan | August 22, 2005 at 09:38 AM

あやや。「三遊亭志ん生」ではなく「古今亭志ん生」ですよね。ごめんなさい。書き間違えました。

Posted by: hebakudan | August 22, 2005 at 04:49 PM

>hebakudanさん

今や古谷三敏と言えば「釣りバカ日誌」が代表作でしょうけれど、この「寄席芸人伝」は、それにくらべて、余程シンプルな図柄で、この方が私好みと言えます。 そして、噺家の表情や着物など、とても巧みに描き分けているのには感心させられます。 まぁ、プロなんだから、あたりまえか。(^^;

小三治師匠がお好きなんですね。 私も寄席で何度か聴いた事があって、今ではすっかりファンになっています。
志ん生は沢山の録音を残していますけれど、噺の出来や録音状態には、結構ムラがありますね。 なにしろ、ぞろっぺえな師匠ですから。(笑) 中には、ゆったりと語っている噺もありますし、そんな録音でしたら、あるいは、お気に召すかもしれませんね。

Posted by: もとよし | August 22, 2005 at 10:05 PM

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