縄文VS弥生 ガチンコ対決!!
国立科学博物館で開催中の特別展「縄文VS弥生 ガチンコ対決!!」を観て来た。
この特別展のポスターを、暫く前からあちこちで目にする。 縄文時代と弥生時代、それぞれの衣装を身に付けたおねーちゃん二人の立ち姿。(別バージョンで格闘シーンも) モデルも、それぞれ縄文顔、弥生顔と言う基準で選んだらしい。 笑顔を押し殺した、なんだか不機嫌そうな表情はしかし、女性向けファッション雑誌のグラビアばりのハイセンスな感じで、この手の展覧会にあっては斬新なデザインと想う。 (もとよし的には弥生ちゃん萌えである)
さて、特別展の中味はと言えば、結構大掛かりに宣伝を打っていた割りには、至ってこじんまりとした規模であった。 でも、夏休みと言うことで、親子連れで観に来たりするのであれれば、ちょうどこの位が、親は疲れなくて、子供も飽きなくて丁度好いのかもしれない。
最近の考古学研究によって、弥生時代の始まりは、これまでの通説よりも500年程遡ることになったらしい。 素人的には「だから何なの?」で済ませてしまいそうな話しだけれど、考古学的には大事件なのであって、この500年が意味するのは、つまり、縄文文化から弥生文化への移行はある時期に一気呵成に進んだ訳ではなく、至ってゆっくりとしたものであった筈、と言う事になるのだそうな。
その移行に絡めて言うと、「弥生文化を築いたのは誰か」なるテーマに、未だ定説を得ないらしい。 弥生人は、縄文人の子孫(在来系弥生人)なのか、それとも、その当時大陸からやって来た人々(渡来系弥生人)なのか、そこいらもハッキリとは判っていないのである。
素人的には、「縄文」対「弥生」と言うと、装飾過多の縄文式土器に、装飾無視の弥生式土器と言う両極端のイメージがあまりに強い(まったく、なんて極端な違いだろう!)のだけれど、それ以外にも、身体的な特徴やら生活文化全般に渡って、数多くの違いが見られるのである。 この特別展では、縄文人と弥生人の肉体的な違いを好く示すものとして、発掘された人骨が数多く展示されていた。 素人目には違いが中々見極められないけれど、これなど、骨相とか、見る目のある人であれば大変に面白いであろうと想う。
特別展のポスターのおねーちゃん二人の着ていた衣装(縄文娘の黒い上着の素材はレザー。 白いのは子安貝)をはじめ、当時の衣服も展示されている。 勿論、どれも学術的に推定、再現したものなのだけれど、服飾や繊維関係に詳しい方が見れば、さぞ興味深いのではないかと想う。
「ガチンコ対決!!」とは銘打っているけれど、縄文と弥生、どちらが優れているかなどを論じる訳ではない。 衣・食・住・心・戦などなど、様々な素材を、あくまで公正、真面目に比較して、こちらに投げ掛けて来る。 それについてどう考えるか、それは観る側に委ねると言う訳であろう。 例えば、縄文から弥生に移行して得たもの、そして失ったものなどをもテーマに加えてくれたならば、文明史的な見所が得られたような来もするけれど、まあ、これはこれで、まとまりの良い特別展となっていると思う。
本当のガチンコ対決は、考古学者対人類学者間の論戦のようで(副題に「考古学と人類学もガチンコ対決」とある)、その辺はこの特別展で販売されている図録の方に詳しい。 (未だ、読んではいないのだけれど)
Comments
はじめまして。
わたしはまだこの展示を見ていないのですが、TBさせていただきました。
これからもお邪魔すると思いますが、よろしくお願いしますm(_ _)m
Posted by: alphecca | July 24, 2005 09:28 PM
>alpheccaさん
おいでませ、問はず語りへ~(^o^)丿
考古学に詳しい方に見て頂いて嬉しいです。 いや、恥ずかしい気持ちの方が強いかな?(笑) よろしくお願いします!!
Posted by: もとよし | July 24, 2005 10:08 PM
こんにちは~もとよしさん^^
コメントは残さなかったのですが、何度かお邪魔していたんです(*^_^*)
ちょっと疲れ気味・・・って書かれていたので、大丈夫かな・・と思っていました^^
ところで、リンク先のHP見て来ました。
トップページの写真からして、柔らかく面白い雰囲気ですね♪
また時々遊びに来ますねー(^O^)
Posted by: latifa(ポコアポコヤ) | July 27, 2005 07:13 AM
>latifaさん
ご心配頂いてありがとうございます。(感涙)
体調も、だんだんと回復してまいりました。 只、それと関連あるのかどうか、それが原因なのかどうか・・・このところ、終日ヒジョーに眠いです。 うたた寝するのが得意になりました。(笑)
Posted by: もとよし | July 27, 2005 10:40 PM