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May 08, 2005

「東京イワシ頭」

「東京イワシ頭」 (杉浦日向子著 講談社文庫)
以前に読んだものを再読。

イワシって何か? 著者の杉浦日向子さんは、それを信じるものにのみ価値やご利益のあるもので、そうでない一般大多数にとっては何の価値もないもの。 そして若干の出費を伴う(只では駄目)モノを、即ちイワシの頭と定義している。(例えば上野広小路の黒焼屋さんで売っている孫太郎虫

江戸風俗研究家の筆者が、小説現代の若手編集部員ポアール嬢を相棒に得て、東京都内の各所に潜む「シアワセの鍵」=「イワシの頭」を訪ねて歩く。
黒焼屋さん、五木ひろしのディナーショー、高級エステ、女子プロレス、国技館の升席、東京都庁の展望台・・・
杉浦日向子さんの、好奇心全開、江戸っ子気質的な向こう意気の強さと、相棒ポアール嬢の脳天気さ加減の組み合わせがとっても好い感じである。 自分は元々、杉浦日向子さんの漫画のファンだけれど、この本に納められている杉浦さんのイラストはどれもカワイクて好きだ。 この本は、素早く一気に読み進めたりしないで、だらだらとページを繰ってゆくのが好いと思う。 杉浦さんの語るテンポに身を委ねてしまうのが、凄く好い気分なのだ。 人によっては、この本を「癒し」系とか呼ぶかもしれない。 自分に言わせれば、この本自体が「イワシ」である。

それにしても、イワシの頭大のシアワセくらいならば、結構あちこちに転がっているものと感心させられる。 但し、それは、こちとらに信心(それとお賽銭)が無ければ決して捕まらないものなのである。 毎回、いわゆるアポなし体当たりレポートを敢行するのだが、生憎イワシではなかったり(スカ)、時には相手がイワシどころかウミヘビで、杉浦&ポ・コンビの方が尻尾を巻いて逃げ出したりもする。

文中、大相撲の若貴ブームに触れていたり、オウムやフセインが冗談のネタになったりで、流石にその辺りは時代を感じさせられる。 もしも杉浦さんが、今もう一度この企画をやるとしたら、一体何をイワシに選ぶのだろう?

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