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May 05, 2005

木村伊兵衛写真賞の30年

川崎市民ミュージアムで開催中の企画展を観た。

時代を切り開くまなざし
 -木村伊兵衛写真賞の30年- 1975 - 2005

30年に及ぶ木村伊兵衛写真賞の歴代受賞作品が公開される。 これは、そのまま我が国の写真史であり、写真家の眼を通してみた社会史でもあり得るのだろう。 まさに、「時代を切り開くまなざし」である。

自分はもともと写真というものに付いて疎いし、まして木村伊兵衛、そして木村伊兵衛写真賞と言うと、自分とはまるで縁のない気がしていたけれど、展示されていた中に見覚えの写真が結構あったのには、少し驚いたのである。
なにぶん、展示作品が膨大なので駆け足気味で観て回る事になった。 見落としがあるかもしれないし、もしかしたら宝物の前を、知らず素通りしているかもしれない。

1979年受賞の岩合光昭、1987年受賞の中村邦夫、1989年受賞の星野道夫らは、それぞれネイチャーフォトの第一人者として以前から良く作品を目にしていた。 木村伊兵衛賞・・・やはり貰っていたのか、と言う感じである。

山野を切り崩す工事現場を淡い色調で撮った1992年受賞、小林のりおの作品からは、薄っすらとした哀しみが伝わって来る。 それは一体、誰の哀しみだろう。

大規模な工場、近代的なプラントをまるで巨大な生物のように捉えた1993年受賞、畠山直哉の作品。 この人の眼は凄い。 増殖する事しか知らぬプラントは、最期は何処に行き着くのだろう。

2003年受賞の澤田知子。 この人のことは、藝術新潮の三月号を読んで知っていた。 前向きで、力強い。 思わず笑いを誘う、明るくてエネルギッシュなこの人の世界は大好きだ。 もっと沢山観たいぞ。

一番新しい、2004年受賞の中野正貴。 都市空間を研ぎ澄まされた感性で鮮やかに切り抜いて見せた作品である。 この企画展中で一番気に入った写真家は?と問われたら、自分は躊躇無くこの人を選ぶことだろう。

木村伊兵衛その人の作品も展示されていて、その中にも見覚えの写真が幾つかあった。 1954~55年にパリで撮影したカラー写真が取り分け味わい深い。 約400点に及ぶという今回の展示作品は、どれもみな時代を切り開くまなざしなのである。

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Comments

もとよしさま
こんばんは、コメント&TBありがとうございます。
400点もあるので、見終るとたしかに疲れます。
でもいろんなタイプの写真があって面白いです。中野正貴さんの作品を初めて見たときは、結構衝撃的でした。そして今回の作品も面白い。
あと、澤田知子さんは、もう大ファンになってしまいそうです。

Posted by: イッセー | May 06, 2005 at 02:02 AM

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