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April 29, 2005

「落語ワンダーランド」

「落語ワンダーランド」(ぴあ)を読んだ。
お悩み別作品ガイド100席&古今東西の噺家100人以上登場!なんて言う、随分と長い副題が付いている。

コンセプトとしては初心者、または、これから落語を聞いてみようかと思う人が読む本を目指したと言う。
内容は実に多岐に渡っており、暇つぶしにパラパラとページを捲るには持って来いの内容と思う。 実際、この一月ばかり、自宅で手持ち無沙汰の時は、この本を眺めて過ごす事が多かったのである。

特に面白かった処を挙げてみると・・・
<噺の処方箋>
古典落語のあらすじを紹介するってのは、よくある企画だけれど、ここではより面白く読ませる工夫をしていて、上手く仕上がっていると思う。

<噺家百傑>
東京の噺家から100人を選んで、写真入りで紹介。 噺家さん一人一人に付いているキャプションが実に上手くて、これを書いた人は相当の落語通なのだと判る。
自分の知っている噺家さんに付いては「そう、そう!」と肯きたくなるし、知らない噺家さんに付いても、何時か聞いてみたいものだと思わせられるのだ。 いかんせん、紹介する数が100人に絞られているため、相当数の噺家さんが漏れた側に回る事になる。 だから、「どうして自分の好きなあの噺家さんが入っていないのか?」などと詰め寄りたくもなるのである。 その辺りは選者の主観に任せて、こちとらはそれをも楽しむべしと心得てはいるけれどね。 なお、紹介されている中で、桂文朝さんは既に故人である。(合掌)

<師弟仁義>
柳家さん喬、柳家権太郎、三遊亭小遊三、三遊亭楽太郎、立川志の輔の各一門を写真入りで紹介。 好いな。 こういう昔ながらの師弟関係が残っているってのも、落語の魅力の一つだと思う。 写真はどれも、ある意味ベタな記念写真風構図なのだが、これが実に綺麗に撮れていて、ちょっと惚れ惚れしてしまう。

総じて読み応えのある記事が多くはないと思うけれど、入門者向きをうたう以上、内容が広く浅くになるのは仕方が無いかもしれないね。 
あと、初心者向きとすれば、値段が高すぎると思う。(寄席の木戸銭より少し安いくらい)
それから、とじこみ付録CD「不滅の東西名人名作落語集」は、これは断じてマニア向きだよ! 収録されている五代目古今亭志ん生、三代目柳家小さんなど、音源が古くてノイズの彼方から聴こえて来る噺は、初心者にとっては敷居が高すぎるのではないか。 落語未経験者に聞かせたら逆効果になると思う。
ちょうど、クラシック音楽の入門者に、フルトヴェングラーやメンゲルベルクのSP復刻版(ノイズの彼方から辛うじて音楽が聞こえて来る)を聴かせるようなものか。

雑誌の造りとしては綺麗で手馴れていると思うけれど、落語の雑誌とすれば残念ながらあちこちツボを外している気がする。 期待して手に取ったけれど、まあまあだったかな、と言うのが率直な感想である。

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Comments

もとよしさん
こんばんわ、私もこの本買いました。
値段見たときには、驚きましたけど。小三治師匠のインタビューが出ていたもので、まあ師匠のためならしょうがないかということで買いました。
全体の感想は、作ってる人達は楽しいんだろうなあという感想です。いずれにして、落語初心者があの値段で買うとは思えない。
東京かわら版の方が実践向きで、安くて良いです。

Posted by: イッセー | April 30, 2005 02:56 AM

>イッセーさん
「落語ワンダーランド」、お読みになりましたか。(^^)
小三治師匠のインタビュー、好かったですね。 誠実で、一本筋の通った内容でした。 使われている写真も気に入ってます。


>全体の感想は、作ってる人達は楽しいんだろうなあという感想です。
まさに、同感です。(^_^;

ともかくあの値段では高すぎて・・・落語入門者をナビゲートするならば、まずは何処でも好いから寄席に入ってみて、気に入った噺家さんを見つけたら、あとはかわら版見て追いかけろってとこですかねぇ。(笑)

Posted by: もとよし | May 01, 2005 07:39 AM

はじめまして、「もみ」と申します。TBさせていただきました。この本、初心者じゃないような、でも詳しくないというレベルの私にしては気に入ってよく読んでいます。値段を見ずにレジに持っていってしまって値段を聞いて驚きました。落語初心者向けなら高いわよ・・・と思ってました(笑)ほかにも同じ思いの方がいたんですね。

Posted by: もみ | June 14, 2005 10:21 PM

>もみさん
おいでませ、問はず語りへ。
この「落語ワンダーランド」。 私もなんだかんだ言って、今だに時々拾い読みしています。 結構面白いです。(笑) 高い本とは言っても、これだけ長きに渡って楽しんでいるのだから、好い加減元は取れているかも。(爆)
「噺の処方箋」の中には未だ聴いたことの無い噺が幾らもあるし、
「噺家百傑」を見ると未だ未だ知らない噺家さんも大勢居るしで、落語には、まだまだ飽きることはなさそうですね~。

Posted by: もとよし | June 15, 2005 10:14 PM

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