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December 09, 2004

「緑衣の鬼」

「緑衣の鬼」江戸川乱歩著(江戸川乱歩全集 第十一巻 講談社)を読み終えた。
日頃は推理小説に縁の無い自分であるが、江戸川乱歩その人にはなんとなく興味があって、何か読んでやれと全集の一冊(この際どれでも良かった)を図書館で借りて来た。
この小説にはかの有名な明智小五郎は出て来ないけれど、それを彷彿とさせる名探偵の乗杉竜平が登場する。 それにしても、乱歩の描く名探偵ってのは、もう嫌味なくらいクールだねぇ。 そういったキャラクターが歓迎された時代(昭和11年~12年当時)なのかもしれないけれど。 そんな、冷静沈着で時に人を食ったような言動をみせる探偵とは対照的なキャラクターとして、商売柄に似合わぬ多血質と言える探偵小説作家の大江白虹を登場させたのは、作者の優れたバランス感覚の賜物であろうと思う。
乱歩作品の常と言うべきか、説明が一々回りくどい気がするけれど、古い推理小説なので、まぁ仕方ないか。 随分と凝った筋立てだけれど、通勤途上にぼんやりと読んでいてさえ、話に付いて行けなくなると言う程でもない。 この辺の手際の鮮やかさが乱歩を読む醍醐味・・・とか言い切る自信の無いのが、我ながら情けない処ではあるなぁ。 とまれ、乱歩読みとしてはまだまだの自分である。

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