「風流江戸雀」
杉浦日向子の「風流江戸雀」(新潮文庫)を読んだ。
江戸時代の人々の暮らしを描いた作品を、杉浦日向子は幾つもものしているけれど、この作品のユニークなのは江戸時代の川柳を漫画化していると言う事。
江戸時代の川柳の中で、今日にも通じる内容を持つものは少なくないと思うが、それを育んだ江戸時代の文化風俗までを偲ぶのは至難の業である。 ここには川柳を手掛かりとして、江戸庶民のドラマが活き活き描かれている。
ばかめらと雪見のあとにのんでゐる
れてゐてもれぬふりをしてられたがり
これが1988年の文春漫画賞を受賞したと言うから侮れない。 無論、文春漫画賞の方がである。
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