April 11, 2021
映画:メカゴジラの逆襲
メカゴジラの逆襲
Terror of Mechagodzilla
監督:本多猪四郎(本編)
中野昭慶(特撮)
音楽:伊福部昭
出演:佐々木勝彦
藍とも子
睦五郎
平田昭彦
1975年 東宝
シリーズ十五作目、「メカゴジラの逆襲」です。
前作「ゴジラ対メカゴジラ」でヒール役を務めたメカゴジラ。
大怪獣ゴジラが、いま一人の自分(メカゴジラ)と相対したら・・・・このプロットは極めて魅力的でした。(前作では、そのプロットを充分に生かせていたと言えませんけれど)
ともあれ東宝は、この新キャラに余程の手応えを感じたんでしょう。
今作「メカゴジラの逆襲」で、再びメカゴジラをフィーチャリング。
ここに二作品続けての登場とあいなりました。
しかも、タイトルロールをゴジラから奪っちゃいましたしね。
シリーズの客演怪獣としては、かつて例の無い好待遇です。w
▽▲▽▲▽▲
今回、新ヒール役としてメカゴジラとタッグを組むのが、初お目見えのチタノサウルスです。
直立して二足歩行する、スリムでやたらと背の高~いヤツ。
東宝怪獣映画史上、かつてないノッポさんです。
この映画、実質的な主人公怪獣は(タイトルロールのメカゴジラでも、ましてゴジラでもなく)ノッポさんのチタノサウルスだと、私は想っています。 なにせ、ストーリーに大きく関わってくるし、一方ゴジラの出番は少な目です。
そしてこの新キャラ、劇中ではあえて(「怪獣」ではなく)「恐龍」って呼ばれています。(イントネーションが一風変わっていて、恐龍の「きょ」のところにアクセントが来るんです。 ヘンなの w)
中生代にのっしのっしと歩いていた、あの巨大な爬虫類の生き残りなんでしょうけれど。 でも「恐竜」じゃなくって、あくまで「恐龍」なんだって。
あ、火とか吐いたりはしません。(あくまで恐龍ですから w)
▽▲▽▲▽▲
前作と同様、侵略宇宙人との戦いを描きながらも、怪奇/スリラー趣味を大胆に取り入れた本作「メカゴジラの逆襲」です。
漁師町の外れにポツンと建つ古い洋館。(地面を覆う落ち葉や、鴉の鳴き声(SE)がナイスでした (^ァ^))
そして、不気味に見え隠れする老執事(沢村いきお)の姿。
海辺に独り佇む謎の女(藍とも子)。
穏やかで平和そのものな海原ですが、しかしその水底には龍が棲むと言います。
薄倖の美女と若き海洋生物学者との悲恋。
暴走するマッドサイエンティスト。
その狂気が造り上げた禍々しい発明品。
そして、ヒロインの自己犠牲。
などなど。
怪奇ロマンとでも言うのか、クラシックな探偵小説かなんかに出て来そうな要素で一杯です。
全体的に、古風で怪しい雰囲気に満ち満ちていて(怪獣映画という先入観を離れ)この世界観、一旦ハマるともう一気に引き込まれちゃいます。(^ァ^)
本来、本多監督がやりたかったのは(これまで撮って来た怪獣映画などではなしに)むしろコッチだったのでは? なんて、いろいろと考えてしまいます。
とは言え、映画も中盤を過ぎると、そこに侵略宇宙人とメカゴジラ、そしてゴジラっていう怪獣要素が、容赦も無しに乱入(!)しちゃうんだよね。w
▽▲▽▲▽▲
前作「ゴジラ対メカゴジラ」で悪役を好演した睦五郎ですけれど(あの時のヒールぶりが好評だったんでしょうね w)この映画でも侵略宇宙人のボスを務めます。
前作と同じポジション(悪の首魁)で出演するけれど、でも、あれとは別人(でも、演じる俳優は同じ)という、なんかフクザツな設定下での再登板です。(笑)
東宝怪獣映画に欠かせぬ平田昭彦。 今回はマッドサイエンティスト役を怪演。
これが、ぱっと見平田昭彦とは気付かせぬ(笑)凝ったメイク。 攻めた役造りです。(^ァ^)
その他、善玉なのに人相悪過ぎ w の内田勝正。
前作「ゴジラ対メカゴジラ」で主人公を務めた大門正明も(ほんのチラッとだけ)登場。
そして、今作の主人公役・佐々木勝彦は、前々作「ゴジラ対メガロ」の時にも主役を務めていた方です。
▽▲▽▲▽▲
ストーリーの方は、これまでのゴジラ映画と比べて、ぐっとシリアス寄り。
それに加えて(かな~り)クセのある編集のお陰で、お話しが妙に判り難く、またテンポも悪くなっちゃってますね。
従来の東宝怪獣映画とは、もはや一線を画したものになっています。
ここまで来ると、メカゴジラの存在は(タイトルロールながら)もはや余分かも。^_^;
お話しも半ばを過ぎてから(ようやく w)チタノサウルスが地上に姿を現し、それを迎え撃つゴジラも登場するんですけれど。 でも、存在感が薄いなァ。(笑)
(丘の向こうから”ぬっ”と姿を現す大怪獣。 この構図はナイスでした (^ァ^) )
怪獣プロレスも第二ラウンドに至って、ようやくメカゴジラも参戦するんですけれど<ゴジラがもうひとりの自分と闘う>というプロットの面白さを(前作と同様)これっぽっちも活かせていません。 ここンところは、やっぱ大きな不満だなァ。^_^;
▽▲▽▲▽▲
この映画、そもそもが(前作で人気を得た)メカゴジラありきの企画なんでしょうけれど、でも、その割にメカゴジラの存在を有効活用出来ていませんねぇ。
これだったらメカゴジラなんて要らなかったんじゃあ? なんて、私は想います。(笑)
なんなら、ゴジラが居なくたってドラマとして成立してしまいそうですし。w
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中盤までは(およそゴジラ映画とも思えぬ)怪奇/スリラー趣味が支配しているこの作品。
本多猪四郎が監督を務めた最後の(その長いキャリアの末の)映画なんですってね。(その後は黒澤明監督の補佐を務めるなどして、映画造りに関わってゆきます)
本田猪四郎の(監督としての)ラストムービー。
従前のゴジラ作品とは一味違った雰囲気を漂わす、ユニークな一本でした。
April 03, 2021
April 02, 2021
小説:晴天の霹靂
晴天の霹靂
劇団ひとり 著
2010年 幻冬舎
多芸多才のお笑いタレント・劇団ひとりがものした2冊目の小説本です。
前作「陰日向に咲く」では連作短編集の体を取っていましたけれど、今回は単独の長編。 楽しみです。
本書「晴天の霹靂」のカバーデザインは「陰日向に咲く」と同様、著者自らが表紙を飾ったもの。
なんかこう、イイ感じの表紙。 オシャレですね。(^ァ^)
これって最早(よくタレントさんが書いていそうな)エッセイ集としか見えないんですけれど。(笑) でもこれ、本格的な小説です。
著者自ら表紙モデルを務めて、それでバッチリ絵になるんですから、流石、撮られ慣れているタレントさん。(^ァ^)
長編とは言っても、作品は比較的短目なもので、あっという間に読み終えてしまいます。
まぁ、短く感じたのは、それだけ面白かったってこと。
飽かず、先へ先へと読み進ませる力があったというわけですね。
▽▲▽▲▽▲
※ 主人公は場末のマジックバーで働く、まるで売れないマジシャン。
人気も実力も無いまま、キャリアばかり無駄に重ねて、自意識ばかり大きくしている、いささかメンドクサイ男。(笑)
にっちもさっちもゆかない彼の下に、ある日、父親の訃報が届きます。
若い頃家から出て行って以来、長く消息の知れない父でしたけれど、流石に報せを聴いて愕然とする主人公。
その時、青天の霹靂に見舞われます!
カラッと晴れた空から強烈な光が差し、轟音が轟きました。
落雷に撃たれた(かのように感じた)主人公。
気が付けば、昭和四十八年(1973年)にタイムスリップしていました!
そこは、自分が生まれる前年の東京でした。
どうしたら好いか(当たり前ですが)判らず、途方に暮れる主人公。
とにかく、お金を稼がなくちゃ生きてゆけません。(所持していたのは平成の紙幣・貨幣でしたし)
浅草のとある劇場で雇って貰い、専属のマジシャンとして(この男、他には何も出来ないんです)働くことにします。
浅草のステージに横溢する、昭和の空気がステキです。(この辺り、著者・劇団ひとりの抱く、往年の芸の世界への憧れでしょうか?)
主人公のような(チョー口下手な)マジシャンには、代ってトークを担当する助手が必要。
そう考えた支配人が連れてきたのは、未だキャリアの浅い女性マジシャン見習いでした。
意外やスムーズに昭和の浅草(の芸人の世界)に溶け込んでしまう主人公。
こんな、とんでもないこと(タイムスリップ)を経験しながら、それについて戸惑ったり、あれこれ思い悩まないタイプのようです。(笑)
果たして、主人公が昭和の浅草で披露する平成のマジックは、大好評理に迎えられました。(^ァ^)
そりゃ、誰も見たことの無い未来のマジックですからね~。 みんなビックリしますよ。(@_@)
ここで、助手の女性マジシャン見習いにトラブル発生。
彼女に替ってやって来たのは、どうにも頼りなさげな男でした。 ダイジョーブなのか?^_^;
やがて、主人公は気付きます。
それはオヤジ。 若き日の父の姿なのだと。
▽▲▽▲▽▲
ダメオヤジ、若い頃から(やっぱり ^_^;)ダメ男でした。
と言うか、この父親あってこその、今の(ダメダメな)オレなのかと感懐する主人公。(笑)
そして、昭和四十八年と言えば、主人公が生まれる直前です。
懐かしいという程にも、オヤジを覚えていない主人公ですけれど、ともあれ、このままでは自分が無事に生まれて来ないかもしれないという危機感を覚えざるを得ません。(笑)
どうする主人公!?
この構図、なんだか「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を髣髴とさせますね。(^ァ^)
クライマックス、泣かせどころもしっかり用意してあるなどして、劇団ひとり。 そこはプロのエンターティナーです。(^ァ^)
でも、この小説。
かくも重要人物のダメオヤジが、いまひとつ魅力的に描けていないんですね。 そンところが弱点かと想います。
それでも面白いのは確かで、最後の頁まで夢中で読んでしまいました。
お話しがサクッと短めなのも、好い方に働いていますね。
「陰日向に咲く」 (2006年)
(劇団ひとりの前作です)
March 29, 2021
令和三年三月の通院です
桜咲く、三月も末の通院です。
前回私が病院を訪れたのは・・・・あれは一月の末のこと。
「来月は早目に来ますから (^ァ^) 」って先生と約したのにも関わらず、また二月も開けちゃいました。orz
日々服用しているお薬は(五種ある内の)ひとつを既に使い切ってしまい、在庫ゼロ。 とっくに払底しています。(@_@)
はい、ちょっとヤバイ状況 ^_^; の中での通院でした。
▽▲▽▲▽▲
偶々月曜日に代休の取れた今回。
例によって、朝イチを狙っての通院を試みました。
平日の朝にも関わらず、そこそこ盛況の待合室。
空いているイスによいしょと腰を下ろして待っていると、私のケータイに職場から着信です。(>_<)
アクシデント発生の連絡で、早速リモートで(笑)対応を試みました。
心配したものの、なんとかなりそうで、まずはホッと一安心。
なんですけれど・・・・一旦職場からこういう連絡を受けてしまうと、それって血圧に、もう露骨なまでに反映しますね。^_^;
看護師さんに血圧を計ってもらう時点では、もうかなり落ち着いた積もりでいたんですけれど、しかし胸のバクバクは止まっていないらしく、計り直されました。
それでも、どうしても高い数字が出ちゃうんで、已む無くその高目の値をシートに記入してもらいました。orz
▽▲▽▲▽▲
診察の方は(前回と同様)実にアッサリとしたもので、前回に比べて、やや改善が見られますねってことで、アッと言う間に済んじゃいました。
ともあれ(過去一番好かった)昨年の今頃の値まで、ガンバッて戻しましょう! これが、現在の課題です。
March 21, 2021
第21回千葉県知事選挙
今日、三月二十一日は千葉県知事選挙の投票日でした。
今回限りで知事職を降板する森田健作知事からバトンを託され、我が千葉県を仕切るのは一体誰か!
長年に渡って(なんとまぁ、2009年からコッチずーっとですよ (@_@))森田健作知事が務めてきたところに、今回八人もの候補者が立っています。
これがもう多士済々、あるいは魑魅魍魎って言うのか(笑)。
ナニをやってもカマワナイ、許される場所くらいに想われてますね。 千葉県って。^_^;
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本日は日曜なれど、お仕事のあった私。
昨日(土曜日)の内に期日前投票を済ませていました。
拙宅から最寄の期日前投票の会場は「西船橋出張所」。
コッチに引っ越して来て以来、その建物の前を、何度も何度も通り過ぎて来ましたけれど、中に入るのはこれが初めて。
ちょっと凝った造りの建物で、なかなか興味深かったです。(^ァ^)
投票日を翌日に控えた期日前投票所。 意外なくらい人出がありまして、ちょっとビックリしました。
それだけ県民の関心が高いって事でしょうか?
ホント、投票所を訪れる人が絶えません。
▽▲▽▲▽▲
さて、今回の知事選ですけれど、熊谷俊人元千葉市長が当選! 圧勝でした。
まずは順当な結果かと想います。
って言うか、コレしかないって結果。 あるべきカタチですね。
タレント知事はもうイイよ。^_^;
March 20, 2021
錦糸公園の桜が咲き始めました
各地で咲き始めている頃合かと想いますけれど。
私がお仕事で移動するルート上に在ります錦糸公園(東京都墨田区)でも、ぼちぼち開花が始まっていました。
大分暖かくなりましたしね。(^ァ^)
今は、膨らんだつぼみと開き始めたサクラとが、丁度半々くらいってところでしょうか。
これはこれで、素敵な眺め。
今のところは、ひっそりとして落ち着いた雰囲気の錦糸公園。
錦糸町駅のすぐ傍にあって(ここいらでは貴重な)開けたスペースなので、人が集まりやすいのは確か。
三月二十二日からはライトアップも始まるそうな。
コロナ禍の最中とは言え(緊急事態宣言も解けることですし)本格的なお花見シーズンが到来すれば、花見客も少なからず押し掛けるんでしょうか。
ちょいとフクザツな気分ではありますね。^_^;
March 14, 2021
読書:キラークエスチョン
キラークエスチョン
会話は「何を聞くか」で決まる
山田玲司 著
2009年 光文社新書
著者は人気漫画家。
私は、漫画作品はどれも未見(申し訳ないことに m(__)m)なんですけれど、著者がパーソナリティを勤める(ネットの動画サイトに幾つも上がっている)トーク番組のファンでして。(^ァ^)
番組で扱うテーマは多彩で、毎回、ご専門の漫画(いろんなジャンルの)をはじめ、アニメや映画、その時々の流行りモノ、時事問題/社会現象などなどを、独自の角度から考察してゆきます。
基本はサブカルチャー畑の人ですけれど、とにかく奇才かつ多才の人なんで、いろいろ出来ちゃうんですね。(^ァ^)
▽▲▽▲▽▲
かつて、各界著名人へのインタビュー漫画を雑誌に連載していたと言う著者。
ここでは数々の(それも初対面の相手への)インタビューをこなす内に体得したという秘訣、インタビューの極意を明快なカタチで教えてくれます。
初対面の(未だ気心の知れない)相手から話しを(それも限られた時間で)引き出す。
そしてグイグイ質問してゆかねばならないインタビュアーというお仕事。
そこに必要なのは、果たして?
インタビュアー(著者)と相手との間に立ちはだかる壁。
その障壁を取り除くような質問が、人には必ずあるハズ。
それが何なのか、何をどう訊けばイイのかとなると、これはもう相手によって様々ですけれど。
とにかく、そこを掴んでしまえばコッチのもの。
それが「キラークエスチョン」なのだと著者は言います。
ここでは相手との壁を突き崩す、その手法。 テクニックについてあれこれと上げてゆきます。
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でもねぇ、ネットに上がっていたトーク番組で観た、著者の天馬空を行くような発想の鮮やかさ、常識に捕らわれない自由奔放さは、ここではまったく影を潜めています。
著者の駆使するキラークエスチョン。
数々のインタビューで成功を収めて来たんでしょうけれど、あまりにも簡単に、サクッと書かれ過ぎていて、そこから(件のインタビュー漫画を未読の私にとっては)インタビュー風景を想い浮かべることは難しかったです。
これだったら、ネットのトーク番組の方がナン十倍も面白いナァ。orz
March 07, 2021
文学の散歩みち
古来、文人/作家らと何かと縁のある当地。
そういえば、我が家からすぐ傍の「葛の井」を訪れている永井荷風も、その終の棲家は市川市にありました。
先日ご案内した「浮嶋弁財天」から程近い辺り。 真間川沿いから南側へと住宅街を突っ切る細い道が「文学の散歩みち」として整備されています。
道沿いに地元縁の文人を顕彰する碑文が並べてあるこの小路。
ひとつひとつは、まぁ割合に簡素なもので ^_^; これはこれで(逆に)好感が持てます。 これっくらいが好いんですよ。(笑)
周辺は閑静そのものな住宅街。
それぞれが充分な間を置いて接地されていまして、決して(数を欲張って)ギッシリ、ギューっと詰まっていたりはしない。
このスペース感がまた好し、です。
作家って孤独が似合う(?)ものですし。^_^;
春ひとり槍投げて槍に歩み寄る
野村登四郎も市川の人でした。
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